東北大学加齢医学研究所創立80周年記念植樹を実施

東北大学加齢医学研究所創立80周年記念植樹を実施

東北大学加齢医学研究所(所長=川島 隆太)の創立80周年記念植樹が令和3年12月17日に星陵キャンパス・スマート・エイジング棟国際会議室及び構内において実施された。
当研究所は、当時国民病と言われた結核の克服を目的として昭和16年12月15日に「抗酸菌病研究所」として設立された。結核の診断・治療研究の中心的センターとしての役割を果たした後、昭和30年代前半からは癌研究という新たな領域に方向転換が図られ、癌の診断・治療法の開発の面で大きな成果をあげた。
平成5年には、超高齢化社会の到来という時代の要請を先取りして「加齢医学研究所」に改組し、新たな歩みを始め、創立80周年を迎えた。
当日は山家 智之 教授(実行委員長)の司会のもと、大野 英男 東北大学総長の祝辞、その後構内に移動して、総長・所長・本橋 ほずみ 副所長により記念植樹が行われた。
また今後、創立80周年記念Web広告を広報予定である。

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写真1:山家実行委員長

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写真2:記念植樹

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写真3:左から本橋副所長、大野総長、川島所長

魏教授(モドミクス医学分野)第18回(令和3(2021)年度)日本学術振興会賞の受賞決定

魏教授(モドミクス医学分野)が第18回(令和3(2021)年度)日本学術振興会賞を受賞することが決まりました。

日本学術振興会賞は、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を見出し、早い段階から顕彰することで、その研究意欲を高め、研究の発展を支援することにより、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させることを目的とするものです。


詳細(東北大学HPの掲載記事)

東北大学加齢医学研究所 分子腫瘍学研究分野 技術補佐員1名公募

東北大学加齢医学研究所 分子腫瘍学研究分野 技術補佐員(時間雇用職員)1名公募

非常勤職員の募集

職種:技術補佐員(時間雇用職員)
募集人員:1名
就業場所:東北大学加齢医学研究所分子腫瘍学研究分野
http://www2.idac.tohoku.ac.jp/dep/molonc/index.html
業務内容:実験補助(試薬, 機器, 実験動物の管理等)、事務補助(Excel, Word, メール等の使用経験がある方)
雇用期間:採用〜2023年3月31日 *雇用期間は年度毎となります。また予算・勤務成績等により更新される場合があります。
勤務形態:月〜金 9:30〜16:30 (休憩12:00〜13:00)
給与・諸手当:922~1,234円(東北大学准職員等給与規程による。)
応募書類:履歴書 (様式はこちらよりダウンロードしてください。Eメールアドレスを記載してください。)
*応募書類は返却致しません。ご了承ください。
書類送付先:〒980-8575 仙台市青葉区星陵町4-1 東北大学加齢医学研究所分子腫瘍学研究分野 田中耕三宛
選考方法:書類選考後、面接にて決定します。選考結果はE-mailにて連絡します。
適任者が見つかり次第、募集を終了します。
問い合わせ先:東北大学加齢医学研究所分子腫瘍学研究分野 田中耕三
E-mail: kozo.tanaka.d2*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

東北大学加齢医学研究所 実験動物管理室(動物実験施設) 技術補佐員1名公募

東北大学加齢医学研究所 実験動物管理室(動物実験施設) 技術補佐員1名公募

【業務内容】
実験用小動物(マウス、ラットおよびヤギ)の飼育管理、飼育器材等の洗浄、滅菌作業、施設の衛生管理に関する業務

【応募締切】決定次第締切

【問い合わせ先】
加齢医学研究所 実験動物管理室
担当 石橋
E-mail: takashi.ishibashi.b5*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

詳細は公募要項をクリックして下さい。
公募要項

コロナに揺るがされた価値観 パンデミックは「自分」や「世界」の見方を変えた(スマート・エイジング学際重点研究センター 瀧靖之教授)

コロナに揺るがされた価値観
パンデミックは「自分」や「世界」の見方を変えた

【発表のポイント】
● 自分の価値や世界の公平性について一人一人が持っている根本的な価値観を
「中核的信念」といいます
● 新型コロナウイルスの感染拡大によって、日本人の中核的信念が揺るがされて
いたこと、その揺らぎが抑うつや不安の強さと関連していたことが分かりました
● 感染拡大を食い止めるための対策を講じる中で、人の心理に生じる変化を置き
去りにしないことが、感染症との戦いにおいて重要であると示唆されます
【概要】
COVID-19の感染拡大は、私たちの日常を一変させました。パンデミックが始まった頃の世界は、いつになれば「普通」の生活に戻れるのか分からず、先行きを予測することも、環境をコントロールすることも難しい状況であったと言えます。
予測や制御の困難な状況では、自分への自信や他者への信頼についての根本的な考え方を意味する「中核的信念」の再構築が必要になると言われています。東北大学加齢医学研究所スマート・エイジング学際重点研究センターの松平泉助教、瀧靖之教授らの研究グループは、2020年7月に1,196名の日本人を対象としたWeb調査を行い、COVID-19の感染拡大が人々の中核的信念の揺らぎを引き起こしたこと、揺らぎが大きいほど抑うつや不安感も大きいことを明らかにしました。また、中核的信念の揺らぎの大きさを、1度目の緊急事態宣言発令中に感染対策に協力できていたと思う程度、感染対策への協力を負担に感じていた程度、感染拡大そのものに感じたストレス、感染拡大に伴う収入の減少で説明できることも明らかとなりました。この結果は、感染症との戦いにおいて、人の心理に生じる変化を考慮することの重要性を示唆していると考えられます。本研究成果は11月23日にHumanities & Social Science Communications誌に掲載されました。

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詳細(プレスリリース本文)
【問い合わせ先】
東北大学加齢医学研究所 スマート・エイジング学際重点研究センター
助教 松平 泉(まつだいら いずみ)
電話:022-717-8824
E-mail:izumi.matsudaira.e4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
教授 瀧 靖之(たき やすゆき)
電話:022-717-8559
E-mail: yasuyuki.taki.c7*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

BRCA1 が関与する PARP 阻害薬の新たな耐性機序を発見  ATF1の発現量が効果予測のバイオマーカーになる可能性(腫瘍生物学分野 千葉教授)

BRCA1 が関与するPARP 阻害薬の新たな耐性機序を発見
ATF1 の発現量が効果予測のバイオマーカーになる可能性

【発表のポイント】
● 遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の原因遺伝子 BRCA1 が、転写因子 ATF1 の
転写活性化能を促進し、細胞生存能を上昇させることを明らかにしました。
● 機能的な BRCA1 を保持するがん細胞では、相同組み換え修復能が異常でも
ATF1 の高発現が PARP 阻害薬やプラチナ系抗がん薬への耐性を引き起こすこ
とを明らかにしました。
● がん組織での ATF1 の発現量がこれらの薬剤の有効性を予測する新たなバイオ
マーカーになる可能性が示唆されました。

【概要】
PARP阻害薬は、近年、乳がんや卵巣がんなどの治療に用いられる分子標的治療薬で、プラチナ系抗がん薬は、以前より多くの種類のがんの治療に用いられてきた抗がん薬です。今回、東北大学加齢医学研究所 腫瘍生物学分野の千葉奈津子(ちば なつこ)教授、吉野優樹(よしの ゆうき)助教、遠藤栞乃(えんどう しの)大学院生らの研究グループは、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の原因遺伝子であるBRCA1が転写因子ATF1の標的遺伝子の転写活性化能を促進することで、相同組み換え修復能が異常でも、PARP阻害薬やプラチナ系抗がん薬への耐性化を引き起こすことを明らかにしました。機能的なBRCA1を保持するがんでは、 ATF1の発現量がPARP阻害薬やプラチナ系抗がん薬の有効性を予測する新たなバイオマーカーになる可能性が示唆されました。

本研究成果は2021年11月12日Cancer Research Communications誌に掲載されました。

本研究の一部は、文部科学省科学研究費補助金、公益信託 弘美医学研究助成基金、公益財団法人 黒住医学研究振興財団、公益財団法人 中冨健康科学振興財団の支援を受けて行われました。

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詳細(プレスリリース本文)
【問い合わせ先】
東北大学加齢医学研究所
教授 千葉 奈津子 (ちば なつこ)
電話 022-717-8477
E-mail: natsuko.chiba.c7*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)

全米科学アカデミー(NAM)「カタリストアワード」を受賞=組織再生による自己血管化管状組織の実現に成功

全米科学アカデミー(NAM)の「カタリストアワード」を受賞=組織再生の方法論により、下肢動脈バイパスに使用可能な細く、長い自己血管化管状組織(biotube)の実現に成功。

加齢医学研究所の白石泰之准教授、山家智之教授、山田昭博助教、大分大学・宮本伸二教授、旭川医大、バイオチューブ株式会社らの研究グループは、AMEDの推薦を受けて、全米科学アカデミー(NAM)の「カタリストアワード」を受賞しました。
閉塞性動脈硬化症は国内で年間一万もの四肢切断をもたらす重篤な疾患です。このAMEDプロジェクトは、患者さん自身の体内で再生血管を作製する新しい組織再生治療法の開発です。下肢動脈バイパスに使用可能な自己血管化管状組織(バイオチューブ)を皮下で作成でき、移植後数ヶ月で自己血管化します。
この新技術によって世界で最小の径の再生人工血管が具現化します。患者体内で自己の移植用の組織を作製する治療法は世界に類をみず、極めて独創的です。
全米医学アカデミーのアワードである「Healthy Longevity Grand Challenge(健康長寿に向けた課題解決)」は、高齢化社会の課題解決に資するイノベーションを促進するアイディアを世界各国から募るものです。全米医学アカデミー(NAM)の提唱によるこの取り組みには、AMEDのほか、台湾(AS )、中国(CAMS)、EU(EIT Health)、シンガポール(保健省、NRF)、英国(UKRI)、米国NAM及び、米国国立衛生研究所・老化研究所(NIA/NIH)が参加しています。本年度も第1段階のカタリスト・フェーズの受賞者発表が行われ、世界8機関から受賞者が発表されました。
健康長寿に向け、「四肢切断しなくて済む組織再生血管による新しい医療」が、期待されます。本研究成果はAMEDの橋渡し研究戦略推進プログラムによるものです。

詳細URL
http://www.medical-biotube.com/
https://healthylongevitychallenge.org/winners/development-of-in-body-tissue-engineered-autologous-vascular-grafts-biotube/

yambe

[問い合わせ先]
東北大学加齢医学研究所
教授 山家智之
TEL 022-717-8517
E-MAIL yambe*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

Sars cov-2 等新興呼吸器感染症の飛沫感染を予測する 「咳」発生診断・予測・予防システムの発明 -AI 体表面映像三次元解析を用いた「咳」飛沫感染ブロックシステム-

Sars cov-2 等新興呼吸器感染症の飛沫感染を予測する
「咳」発生診断・予測・予防システムの発明
-AI 体表面映像三次元解析を用いた「咳」飛沫感染ブロックシステム-

【研究のポイント】
• 遠隔から人体の喉頭部などの三次元表面映像によって「咳」の発生を、診断・予測・ブロックできる機能を持つシステムを発明し、特許出願に至った。
• 「咳」の発生を予測すれば、アクティブパーティション・能動エアシャッター・アクティブフェイスマスクなどにより、飛沫感染の発症を予防、または、感染源に接触する機会を減少させ感染発症者数を減らすことができる可能性がある。

【研究概要】
 現在の Covid-19 の流行が収束しえた後でも、感染の新しい波の発生、さらには別の新興呼吸器感染症のアウトブレイクなどについても、今後とも予断を許しません。
 そうした感染拡大を防止する措置として、「咳」の発生予測が可能ならば、アクティブパーティション・能動エアシャッター・アクティブフェイスマスクなどにより、飛沫に接触する機会を大きく減少させることができ、感染数を低下させ得る可能性があります。
 東北大学加齢医学研究所の、白石泰之准教授・山家智之教授、大学院工学研究科・医工学研究科の杉田典大准教授・吉澤誠教授らのグループは、Covid-19 等の新興呼吸器感染症において、最重要な感染経路になる「飛沫感染」に注目し、「咳の発生」を体表面三次元映像から、「診断」し、「予測」しうるシステムを発明し、特許出願に至りました(特願 2021-045978)。
現在、流体科学研究所の安西眸助教・太田信教授と共同で流体シミュレーション研究も進められています。
本発明の成果は 2021 年 11 月 1 日に、国際医用生体工学会議 IEEE EMBC で発表され成果が公開されます。

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詳細(プレスリリース本文)

【問い合わせ先】
<研究に関すること>
東北大学加齢医学研究所心臓病電子医学
准教授 白石泰之
教授 山家智之
電話番号:022-717-8517
E-mail:yambe*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

化学物質が子孫の精子形成異常を起こすしくみ ‐プラスチック可塑剤 DEHP の母胎暴露が引き起こす DNA メチル化異常 –

化学物質が子孫の精子形成異常を起こすしくみ
‐プラスチック可塑剤 DEHP の母胎暴露が引き起こす DNA メチル化異常-

【発表のポイント】
1. 妊娠期マウスへの DEHP 投与により子孫に誘導される精子形成異常の原因の一端を解明しました。
2. DEHP により胎仔生殖細胞内で精子形成に必要な遺伝子の DNA メチル化が誘導され、精子形成期に、その発現が阻害されることがわかりました。
3. 本研究は、母胎環境の異常に起因する子孫の男性不妊を予防する足がかりになることが期待されます。

【概要】
 妊娠期のマウスに、プラスチック可塑剤などとして使用されている化学物質フタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)を投与すると、子孫で異常な精子形成が生じることが知られています。東北大学加齢医学研究所医用細胞資源センター 松居靖久(まついやすひさ)教授らの研究グループは、その原因の一端を明らかにしました。本研究により、DEHP は、胎仔生殖細胞内で精子形成に必要な遺伝子の DNA メチル化を誘導し、さらにそのメチル化が生後の精巣内の生殖細胞でも保たれ、遺伝子の発現を阻害することが確認されました。本研究成果は、化学物質により生殖細胞で誘導される DNA メチル化異常が男性不妊の原因の一つとして関与する可能性を示唆しています。研究の進展により、不妊予防のための足がかりになることが期待されます。研究結果は、7 月 28 日に eLife 誌電子版に掲載されました。

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図 DEHP の母胎投与が産仔の精子形成を阻害するしくみ
妊娠期マウスに DEHP を投与すると、胎仔生殖細胞で本来は低メチル化状態である精子形成に必要な遺伝子の DNA メチル化が誘導され、それが生後も保たれて遺伝子の発現と精子形成の阻害が起こる。

詳細(プレスリリース本文)

【問い合わせ先】
<研究に関すること>
東北大学加齢医学研究所
教授 松居靖久(まついやすひさ)
助教 丹藤由希子(たんどうゆきこ)
電話番号:022-717-8571、022-717-8572
E-mail:yasuhisa.matsui.d3*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

東北大学との認知症予防に関する共同研究結果 一定の条件下の旅行における 認知症リスク低下の可能性を確認

東北大学との認知症予防に関する共同研究結果
一定の条件下の旅行における
認知症リスク低下の可能性を確認

【概要】
クラブツーリズム株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:酒井博、以下クラブツーリズム)と
国立大学法人東北大学(宮城県仙台市、大野英男総長)とは、共同で「旅行が認知症予防にもたらす効
果」を研究し、一定の条件下の旅行における認知症リスク低下の可能性を確認いたしました。本研究は、
2021 年 3 月の学術論文雑誌「Humanities and Social Sciences Communications」に掲載されました。

詳細(プレスリリース本文)