【生体情報解析分野からのお知らせ】 河岡慎平准教授への取材記事が各社新聞に掲載されました

[生体情報解析分野からのお知らせ] 河岡慎平准教授への取材記事が各社新聞に掲載されました

生体情報解析分野 河岡慎平准教授への空間的遺伝子発現解析に関する取材記事が河北新報をはじめ下記の新聞に掲載されましたのでお知らせいたします。生体情報解析分野では空間的遺伝子発現解析をフルに活用した研究を展開しています。ご興味のある方はご連絡ください。

2024/04/09 下野新聞
2024/04/16 山陽新聞
2024/04/18 熊本日日新聞
2024/04/20 中部経済新聞
2024/04/21 神戸新聞
2024/04/21 静岡新聞(静岡新聞電子版)
2024/04/24 河北新報
2024/04/24 埼玉新聞
2024/04/24 中国新聞
2024/04/27 北海道新聞 
2024/04/29 山陰中央新報
2024/04/29 中日新聞
2024/04/29 福島民報
2024/05/08 京都新聞
2024/05/20 長崎新聞
2024/05/29 北國新聞
2024/06/17 山梨日日新聞

ストレスによる持続的な不安のメカニズムを解明! 〜PTSD モデル動物の脳形態変化〜(応用脳科学研究分野 現・新潟医療福祉大学心理健康学科:領家助教)

ストレスによる持続的な不安のメカニズムを解明! 〜PTSD モデル動物の脳形態変化〜(応用脳科学研究分野 現・新潟医療福祉大学心理健康学科:領家助教)

【発表のポイント】
⚫ 心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder: PTSD)は難治性の精神疾患で、動物モデルによる神経生物学的機序の理解が PTSD 治療に有用であることがわかりました。
⚫ 複数のストレスを受けたラットにおける不安行動と脳形態を長期的に計測しました。
⚫ 多重ストレスが長期的に続く不安を引き起こす脳内メカニズムを、不安行動と脳形態の変化から明らかにした成果です。

【概要】
 心身に大きな傷となるような経験は、持続的で制御できない恐怖や不安を引き起こします。
 東北大学加齢医学研究所の領家梨恵非常勤講師(新潟医療福祉大学助教)の研究グループは、複数のストレスと長期的な不安行動の観察及び脳画像撮像を組み合わせることで、持続的な不安が大人の雄ラットの脳に与える影響を検証しました。複数ストレスを受けたラットは、ストレスを受けないラットと比べて、以前にストレスを受けた場所で長い時間動けなくなる(フリーズする)状態が続きました。脳形態解析により、不安反応(フリーズ)が大きいほど、扁桃体-海馬領域の体積が減少していたことが明らかにしました。
 厳しいストレスに曝された後の持続的で消えない不安と扁桃体-海馬領域の個体差の関連を示唆する成果です。
 本成果は、2024 年 6 月 13 日付で Biological Psychiatry: Global Open Science にオンライン掲載されました。

詳細(プレスリリース本文)

【問い合わせ先】
<研究に関すること>
東北大学加齢医学研究所 応用脳科学研究分野 非常勤講師
新潟医療福祉大学 心理健康学科 助教 領家梨恵
(東北大学)Email : rie.ryoke.d1*tohoku.ac.jp
(新潟医療福祉大学)Email : rie-ryoke*nuhw.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学加齢医学研究所 広報情報室
TEL:022-717-8443
Email : ida-pr-office*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターとカーブスジャパン 〜「タンパク質の網羅解析によってサーキットトレーニングが認知機能、腸内細菌、心理指標に与える影響に関するメカニズムを包括的に解明する研究」を開始 〜(東北大学 スマート・エイジング学際重点研究センター:曽我助教)

東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターとカーブスジャパン 〜「タンパク質の網羅解析によってサーキットトレーニングが認知機能、腸内細菌、心理指標に与える影響に関するメカニズムを包括的に解明する研究」を開始〜(東北大学 スマート・エイジング学際重点研究センター:曽我助教)

【発表のポイント】
 本共同研究によって解明されることは以下の 3 点です。
1. 先行研究により、習慣的な運動が認知機能(脳の健康)、腸内細菌(腸の健康)、メンタルヘルス(心の健康)に有益な影響を与えることが示されていますが、そのメカニズムは未だ明らかになっていません。
これらの健康には、血中タンパク質解析によって判明する因子(炎症、免疫、加齢制御因子)が関与していると推測されます。そこで、本研究では約千種類にわたるタンパク質の解析により、運動の有益な効果を支持するメカニズムを明らかにする研究を行います。
2. 腸と脳には強い結びつき(腸脳相関)があると言われています。
本研究では、運動によって変化する腸内細菌が認知機能に与える影響について明らかにします。
3. 運動、タンパク質、腸内細菌、認知機能、心理指標といった包括的な指標から、それぞれの関連を明らかにすることで、加齢に伴う認知機能低下の抑制につながる関係性を明らかにします。

【研究の背景】
 高齢化の一途を辿る我が国を含めた先進国において、加齢に伴う認知機能低下の改善・予防を講じる必要性が年々高まっています。加齢に伴う認知機能低下として、65 歳以上になると約 4 人に 1 人が認知症または軽度認知障害を有しており、7 人に 1 人が認知症を有していると言われています。このような現状において、加齢に伴う認知機能低下の抑制に対しては、習慣的な運動が有効であるというエビデンスが蓄積されています。
 東北大学と株式会社カーブスジャパンは共同研究において、サーキットトレーニングによって「実行機能」や「記憶機能」が向上することを明らかにしています(次項【これまでの共同研究に関する成果】を参照)。
「実行機能」とは、定めた目標に対して思考や行動の制御を行う脳の高次機能です。 「記憶機能」は、我々の健全な生活を支えていくために必要となる脳機能であるとともに、加齢に伴う軽度認知障害や認知症において低下してしまう脳機能です。
 高齢化の一途を辿る我が国おいて、認知機能改善につながる取り組みは急務となっており、カーブスが提供している「筋力トレーニング」、「有酸素運動」、「ストレッチ」を組み合わせたサーキットトレーニングは、我が国が抱える高齢化に伴う問題の解決の糸口になると考えられます。
 これまで、様々な研究機関との共同研究によって、カーブスが提供しているサーキットトレーニングは、上述した認知機能改善に加えて、生活習慣病の予防(血圧・血糖値の低下傾向)、体脂肪量の減少、筋力増加、2 型糖尿病の予防効果、身体活動量の増加、心肺機能の向上、疼痛改善による日常生活機能の向上といった様々な効果が検証されています。

【目的】
 本研究の目的は、神経成長因子、炎症、免疫、加齢制御因子といった数千種類のタンパク質解析を新たに取り入れることで、サーキットトレーニングの効果を裏付けるメカニズムの究明に迫ることです。さらに、腸内細菌、認知機能、心理指標を加えて、包括的な観点からサーキットトレーニングの効果について検証していきます。

【研究概要】
 期間:2024年7月から2025年1月末を予定(運動介入は9月から12月を予定)
 対象者:40歳以上の地域住民(女性限定)
 運動内容:サーキットトレーニング(下図)
    ※筋力トレーニング(筋トレ)+有酸素運動(ステップボード)+ストレッチ

図 サーキットトレーニング

詳細(プレスリリース本文)

【本件に関するお問い合わせ先・ご取材のお申込】
株式会社カーブスジャパン 広報室
TEL:03-5418-9911
E-mail:pr*curves.co.jp(*を@に置き換えてください)

東北大学 スマート・エイジング学際重点研究センター 助教 曽我啓史
TEL:022-717-8824
E-mail : keishi.soga.b4*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

腫瘍組織や血液の DNA 損傷修復活性の測定法の開発 〜抗がん剤の有効性や遺伝性腫瘍の診断を可能に〜(腫瘍生物学分野:千葉教授 吉野助教)

腫瘍組織や血液の DNA 損傷修復活性の測定法の開発 〜抗がん剤の有効性や遺伝性腫瘍の診断を可能に〜(腫瘍生物学分野:千葉教授 吉野助教)

【発表のポイント】
⚫ 腫瘍組織や血液サンプルの DNA 損傷修復活性の測定を可能にする手法を開発しました。
⚫ 腫瘍組織の DNA 損傷修復活性は、PARP阻害薬(注1)や白金系抗がん薬(注2)の効果と高い相関を示すため、これらの効果の予測に有用と考えられます。
⚫ 血液由来のリンパ芽球様細胞での DNA 損傷修復活性の測定は、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(注3)の診断に応用できる可能性を示しました。

【概要】
DNA の二本鎖切断を修復する相同組換え修復(注4)に異常のある腫瘍には、PARP 阻害薬や白金系抗がん薬などが有効とされています。また、相同組換え修復に必要な分子の遺伝子異常は、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群を引き起こします。
東北大学加齢医学研究所 腫瘍生物学分野 吉野 優樹助教、千葉 奈津子教授らは、これまでがん細胞での相同組換え修復能の測定法を開発し、その正確性を示してきました (Sci Rep 2019, Cancer Res Commun 2021)。
今回、同大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科学分野 大学院生の本成 登貴和氏、石田 孝宣教授らとの共同研究グループで、マウス腫瘍組織と血液由来のリンパ芽球様細胞の相同組換え修復活性を測定する方法の開発に成功しました。これらの方法を応用することで、がん治療薬の効果の予測や遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の診断が可能になることが示唆されました。
本研究成果は 2024 年 4 月 8 日、科学誌 Scientific Reports に掲載されました。

【用語説明】
注1. PARP 阻害薬:
Poly (ADP-ribose) polymerase 阻害薬の略。PARP は DNA を一本鎖切断などの DNA 損傷の修復に関与する。PARP を阻害するとこれらの DNA 損傷を修復出来なくなる。正常細胞ではこれらの DNA 損傷は相同組換え修復によって修復される。しかし、相同組換え修復が異常ながん細胞では、これらの DNA 損傷を修復することができず、細胞死を生じる。このような現象は合成致死と呼ばれ、PARP 阻害薬は相同組換え修復に異常をもつ乳がんや卵巣がんなどの治療に用いられている。
注2. 白金系抗がん薬:
シスプラチンなど、分子内にプラチナ原子を含む化合物であり、肺がん、大腸がん、食道がん、卵巣がんなど、様々ながんの標準治療に用いられる。
注3. 遺伝性乳がん・卵巣がん症候群:
相同組換え修復因子の遺伝子異常により、乳がん、卵巣がんを発症する遺伝性腫瘍。BRCA1BRCA2 が主な原因遺伝子である。
注4. 相同組換え修復:
DNA 損傷修復機構の一つ。DNA 二本鎖切断や鎖間架橋などの重篤な DNA 損傷を修復する機構で、修復の際に正常な配列の DNA を鋳型として用いることから、正確な修復が可能とされている。

詳細(プレスリリース本文)

【問い合わせ先】
<研究に関すること>
東北大学加齢医学研究所 腫瘍生物学分野 助教 吉野 優樹
TEL:022-717-8478
E-mail:yuki.yoshino.c8*tohoku.ac.jp

東北大学加齢医学研究所 腫瘍生物学分野 教授 千葉 奈津子
TEL:022-717-8477
E-mail:natsuko.chiba.c7*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学加齢医学研究所 広報情報室
TEL:022-717-8443
E-mail : ida-pr-office*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

「マウス肺 x ヒト細胞」ハイブリッド人工肺の移植術に世界で初めて成功 〜移植可能なバイオ人工臓器作成に弾み〜(呼吸器外科学分野:鈴木助教)

「マウス肺 x ヒト細胞」ハイブリッド人工肺の移植術に世界で初めて成功 〜移植可能なバイオ人工臓器作成に弾み〜(呼吸器外科学分野:鈴木助教)

【発表のポイント】
⚫ マウス肺から細胞を除去し、その中にヒト細胞を培養定着させることで、移植可能なハイブリッドバイオ人工肺のプロトタイプを開発しました。
⚫ ヒト細胞で再生したマウス肺をマウスに移植し、血流再開に世界で初めて成功しました。
⚫ 小型肺での臓器再生プラットフォームの確立により、大型なヒト臓器再生に必要な知見を迅速に得ることができるようになりました。

【概要】
移植可能なバイオ人工臓器の開発は、臓器移植医療における慢性的ドナー不足を根本的に解決する手段の1つです。人工臓器を作成する方法として、ドナーとなる動物臓器から動物細胞のみを取り除き、残った「肺の鋳型」にヒト培養細胞を注入して臓器を再生する方法が有力視されています。
東北大学加齢医学研究所の鈴木隆哉助教、岡田克典教授、同大学医学系研究科の冨山史子大学院生(現所属:宮城県立がんセンター)、同大学流体科学研究所の鈴木杏奈准教授、トロント大学トマス=ワデル教授の研究チームは、脱細胞化したマウス肺をヒト細胞で再生するプラットフォームを開発し、この分野で最も困難とされる肺毛細血管網再生とマウスへの移植実験に世界で初めて成功しました。これにより、非常に少ないリソースで大量の実験を同時に行うことができるプラットフォームが開発できたことにより、バイオ人工肺開発スピードの大幅な向上が期待されます。
本研究成果は 2024 年 4 月 4 日(木)日本時間 19 時に、科学誌 Scientific Reports に掲載されます。

図 脱細胞化・再細胞化法によるバイオ人工臓器の作成

詳細(プレスリリース本文)

【問い合わせ先】
<研究に関すること>
東北大学加齢医学研究所 呼吸器外科学分野 助教 鈴木隆哉
TEL:022-717-8521
E-mail:takaya.suzuki.b8*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

<報道に関すること>
東北大学加齢医学研究所 広報情報室
TEL:022-717-8443
E-mail : ida-pr-office*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

【生体情報解析分野からのお知らせ】 東北大学、がんで「痩せ衰える」阻止へ 肝臓異常の一端を解明 − 日本経済新聞

[生体情報解析分野からのお知らせ] 東北大学、がんで「痩せ衰える」阻止へ 肝臓異常の一端を解明 – 日本経済新聞

生体情報解析分野 河岡准教授『がんで「痩せ衰える」阻止へ 肝臓異常の一端を解明』が日本経済新聞に掲載されましたのでお知らせいたします。
本文についてはリンク先からご覧ください。
日本経済新聞電子版

※ 新聞記事は解像度を落とした上で許可の上掲載

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