河岡 慎平
Shinpei KAWAOKA
 

研究者の引っ越し

とくに不動産について
 



全国的にみた平均引っ越し回数は3.04回だそうです (国立社会保障・人口問題研究所による第8回人口移動調査)。私の引っ越し回数は9回です (秋田→神奈川→埼玉→東京→東京→埼玉→アメリカ→奈良→奈良→仙台)。2007年に大学院修士課程に入学してからの15年間で7回なので、2.1年に1回引っ越している計算です。

このような次第なので少し驚かれますが、奈良では持ち家に住んでいました。庭でのんびりしたり犬を飼ったりしたくて、築30年の中古の戸建てを購入しました。大丈夫ですかと言われたものですが、色々と勉強して、中古の戸建てを狙いました。

戸建ての場合、物件価格=土地の価格+建物の価格です。築年数とともに目減りするのは建物の価格であり、土地の価格変動の幅は建物のそれより少ないです。築年数が古いほど物件価格に占める土地の価格の割合が大きい。つまり、それ以上の値下げ幅は少ない、底値=土地の価格) が見えている、ということになります。売却の必要が生じた際、いざとなれば土地の値段で売り抜いてしまえ、ということを考えやすいのは重要です。ちなみに、築30年といっても、南向きの広い庭に陽当たりが素晴らしく、十分にきれいで住みやすい、とてもいい家でした。6年近く住んで、自治会長を勤めるという経験もしました。

仙台への引越しの際は、家の売却と購入を同時並行しました。さすがに気忙しく、不動産情報にすっかりはまって、宅建の資格を取ろうかと血迷うほどでした。奈良の家については、購入・売却時の手数料や修繕費と支払ったローン金額を足して住んだ月数で割ると、月々平均9万円程度に落ち着きました。近隣のマンションの賃貸相場よりも安く、これなら御の字です。仙台の家については、紆余曲折ありながらも泉区に同じく中古の戸建てを購入し、庭でバーベキューなどしながら、住みよい仙台の空気を味わっています (写真)。犬の散歩コースから見える泉ヶ岳や蔵王が本当に美しく、気持ちを爽やかにしてくれます。自分好みの住環境に身を置いて自分の機嫌をとることは、研究を進める上でもとても大事なのではないでしょうか。

引っ越しは大変ですが楽しいです。土地土地で新しい出会いがあります。近隣県に出かけることで知っている場所の数が増えるので、全国ニュースを見ることが楽しくなります。研究についても、異動をきっかけにして新しい展開が生まれることがたくさんあります。

引っ越しばかりは落ち着かない、じっくり腰を据えて研究する方がいい、という意見ももちろんあると思います。完全に同意です。それでも、別の角度からの意見として、異動・引っ越しというのは研究者という職業の面白いところの一つなのかなと思っています。

名 前:河岡 慎平(かわおか しんぺい)

出身地:秋田/仙台
趣 味:漫画
分野名:生体情報解析分野