瀧 靖之
Yasuyuki TAKI
 

ドラム

~脳の可塑性を引き出す!~
 



 みなさんは大人になってから始めた趣味は有りますでしょうか。どうせ大人になって色々な趣味、勉強をしても、もはや自分は○○歳だから手遅れだ、と思っている方がいましたら、是非参考までにお読みください。脳には可塑性があるので、何歳から何を始めてもちゃんと習得できることぐらい知っているから、私は多くの事を大人になってから始めている!、という方は時間の無駄ですので、どうぞスルーしてください。

 私は脳科学研究者として、まさに、「脳には可塑性があるので、何歳から何を始めてもちゃんと習得できる」、と色々なところで話していて、これまでは昔やっていたことを色々再開することはしていたのですが、子どもの頃に全くやったことが無かったことを始めるという事はしておらず、それが少し心に引っかかっていました。「先ず隗より始めよ」というのもありますし、私も自分で何でも経験しないと気が済まない質でもあるので、自分がこれまで憧れていた、あるいは経験したかったことの中から、特に興味と憧れが有ったドラムを始めることにしました。

 ドラム経験者は良く分かると思いますが、両手両足で独立した動きでリズムを取るのは最初は大変で、そのリズムを崩さず一定のまま叩き続けるのも大変です。更にフィルインを挟みながらそのリズムを保つのは更に困難です。それでも、まさに脳には可塑性があるので、メトロノームを使いながら徹底してリズムを刻む練習をすると、だんだんリズムが狂いにくくなることが実感できます。

 それよりなにより、ドラムを始めて感じることは、これまで聞いていた曲を100倍ぐらい深く味わえるようになります。ドラムは、J-pop、ロック、ポップス、ジャズ等の殆どの曲で使われているので、これはエイトビートだとか16ビートだとかスローロックの三連符とかいうのはもちろん、単調にならないようにこうやってアクセントをいれたり崩したり、そしてフィルインではこんな風に叩いてたんだとか、クラッシュシンバルはここで叩いてたから華やかに感じてたんだ、等、これまで何百回も聞いていたような曲でも、改めてドラムに着目して聞くとものすごく新鮮で非常に深く聞けるようになります。

 この記事を読んで下さった方は、是非今日から新しい何かを楽しく始めると、人生が更に奥深くなり、脳の可塑性の奥深さも実感できると思います!

名 前:瀧 靖之(たき やすゆき)

出身地:北海道
趣 味:誰よりも古い車に乗ること、誰よりもノスタルジーにふけること、その他沢山
分野名:臨床加齢医学研究分野