岡田 克典
Yoshinori OKADA
 

涌谷城址の桜

江戸時代に思いを馳せながらお花見を楽しみました
 



 数年ぶりに涌谷城址(城山公園)の桜を見に行ってきました。涌谷町は、仙台から北東に40kmぐらいの宮城県北部に位置する町です。例年開催される桜まつりは中止となっていましたが、もちろん桜は例年通り綺麗で、近くを流れる江合川堤防を数kmに渡って歩きながら春の風景を楽しみました。

 涌谷町で思い出すのは、山本周五郎氏の小説「樅ノ木は残った」です。私は時代小説・歴史小説が好きでよく読みますが、その中でも最も好きな作品の一つです。小説では、涌谷伊達家の第4代当主である伊達安芸宗重が、柴田郡船岡城を居城とする原田家当主の原田甲斐(この作品の主人公)と共に、伊達家の分割を目論む伊達兵部と対決する姿が描かれています。従来、原田甲斐は伊達兵部の手下で、大老・酒井忠清邸で行われた伊達騒動の評定の最中に伊達宗重を斬殺した不忠の臣とされていましたが、山本氏はこれを覆す新たな解釈で原田甲斐を伊達家を救った忠臣として描いたとされています。江戸時代の事実がどうだったのかも興味深いところですが、涌谷城址も船岡城址も桜の名所、末永く後世まで保存され、人々を楽しませて欲しいと思います。

名 前:岡田 克典(おかだ よしのり)

出身地:仙台市
趣 味:読書、ドライブ、プロ野球観戦
分野名:呼吸器外科学分野