野田 雅史
Masafumi Noda
 

一対一

呼吸器外科准教授の野田雅史と申します。宜しくお願いします。
 



小学生の頃に夢中になったミニバスケットボール(以下ミニバス)の記憶である。当時としてはかなり厳しい指導者であった。ある試合中に突然指導者からの平手が飛んだ。はっと目が覚めた。決勝まで進んだが、全国大会には行けなかった。後に殴られた理由を聞いてみると、あの時は1対1の勝負を逃げたからだと言われた。その後は逃げなくなったからよかったと言われた。

 ミニバスのテーマは 友情、ほほえみ、フェアプレーである。その一方で、敵を欺き、感情を露わに、フェイクや罠を仕掛けるトラップ技術などのチームディフェンスが現在の主流である。

 数年前よりジュニア世代技術向上のため、協会はゾーンディフェンスを禁止し、マンツーマンディフェンス、いわゆる1対1を強化することになった。

 2年前にFIBAワールドカップで日本が惨敗後、当時まだNBAプレーヤーではなかった渡邊雄太が、「チーム力は個があってはじめて成立する。技術、フィジカル、判断力全てにおいて個が劣っていた」とコメントしている。2年後に行われたオリンピック直前試合では、八村塁を中心に、個が活躍し、世界ランク3位で格上のフランスを撃破した。

 外科医になり、チーム医療を行うようになり20数年あまりが経過した。未だにあのころの平手が脳裏によみがえる。患者との1対1を避けていないか、自問自答の毎日である。

次回は、心臓病電子医学分野の白石先生です。

名 前:野田 雅史(のだ まさふみ)

出身地:岩手県一関市
趣味:バスケットボール
分野名:呼吸器外科学分野