魏 范研
Fan-Yan WEI
 

研究室の紹介


 



熊本から仙台に赴任してから1年経ちました。今年の仙台は降雪が多く、またコロナ禍での行動制限もあり、すっかり研究室に閉じ籠もってしまいました。このリレーブログは普段と違う一面を紹介するのが趣旨ですが、私の好きな事はというと、やはり実験をしているときが一番ワクワクしますので、実験に纏わるものを紹介したいと思います。

今回皆様にご紹介したいのは私の隣に写っている質量分析装置とよばれる機器で、生命科学研究に不可欠な装置です。質量分析装置はその名の通り、分子の質量を測る装置であり、あの田中耕一先生がノーベル賞の受賞につながった装置でもあります。

生体や自然界に存在する分子(たとえばアミノ酸や脂肪など)は炭素や窒素といった原子によって構成され、個々の分子はそれぞれ固有の質量を有します。このため、ある分子の質量さえ分かれば、その分子の正体を当てることが可能です。たとえばオリンピックなどの大きなスポーツ競技において、アスリートは必ずドーピング検査を受けます。このドーピング検査で使うのはまさに質量分析装置です。検査センターでは採取した尿を質量分析装置にかけ、違法薬物と同じ質量を持つ分子が尿に含まれているかを調べることで、ドーピングの有無を判定しています。このように、質量分析装置による分子の同定は、研究以外でも広く使われています。

私の研究室では、質量分析装置を用いて老化の目印となりうる分子の同定を目指しています。そうすることで将来的にその分子を測定するだけで体の老化具合がわかるようになり、また、その分子を標的とする医薬を開発し体の老化を遅らせることも可能になります。

名 前:魏 范研(うぇい ふぁんいえん)

出身地:中国杭州
趣 味:ドライブ、映画
分野名:モドミクス医学分野