福本 学
Manabu FUKUMOTO
 

顕微鏡の髄から人体を覗くと見えてきます、生物学が

科学の基本は、ぶれない基準で比較することです。
顕微鏡観察は私にとってその手段のひとつです。

 


私の専門は病理学です。顕微鏡を道具として人の身体全体を診察します。もともと遠視で目が悪いために顕微鏡は苦手でした。嫌いであれば気を入れて勉強しないといけない。そこで病理学を専攻することに決めました。加齢研に着任前は医学部の病理学教室に所属していたので教育・診断・研究をこなしていました。加齢研は大学の中で独立した部局で、研究を主体とした組織なので研究に集中しなければいけません。そこで私は、放射線がどうしてがんを起こすのかを解明し、難治がんである放射線耐性がんの撲滅を目指しています。顕微鏡を覗く時間が少なくなって、あれほど大変だった顕微鏡が趣味とまでなっていませんが、今や気分転換になっています。

考えてみたら、最近忙しくてじっくりと考えていないことに気づきました。歳をとって効率が落ちて仕事が増えれば極めて自然なことですが。60の手習いで始めたジム通いも習字も、時間がないことを理由に中断中です。近くに孫がいますが1月1回しか会えません。家内はしょっちゅう会います。そして話題は「今日こんなことができた、あんな言葉を知っていた」。「日々是新」です。「老化」の意味が解ってきました。昨日できたことが今日はできない。「日々是新」です。

次回は基礎加齢の堀内先生です。

名 前:福本 学(ふくもと まなぶ)

出身地:東京都
趣 味:孫とのダジャレ尻取り合戦
分野名:病態臓器構築研究分野