舟橋 淳一
Junichi Funahashi
 

ラテン系


 


私の車のワイパーには拭き取り頻度/速度の自動調節機能なるものが付いている。しかしこれがまるであてにならない(と思っていた)。感度を最大にしていても小雨の時はいつまでたっても動き出さず、かと思えば本降りになると感度を最小にしても急に最高速で前面ガラス上を往復したりする。なにしろ10年以上も前の設計だし、ラテン系の人達がやることでもあり、この程度のことは我慢しようと思って、この自動機能は諦めてずっと手動で調節してきた。

ところが、とある同好の士のブログを読むと、センサーの部分の前面ガラスの油膜を取ると本来の性能を発揮するとある。センサーはガラスに向かって赤外線を放射し、反射して戻ってくる光の明るさを測っているだけなのだそうだ。ガラス表面に雨がついて不均一な水の膜を作ると、光が散乱されて戻ってくる量が減るので、それに合わせてワイパーの動きを調節する仕組みらしい。油膜があると雨は水玉となり、表面が平滑で散乱が少ない部分の面積がなかなか減らなくなる。そのために自動調節の反応が遅れるようだ。私は30年来、前面ガラスにはシリコンのコーティング剤を塗布しているので、雨水は常に膜を作らずに水玉になっている。なるほど、これが原因だったか。

じつはこの記事自体はかなり前に読んでファイルしてあったのだが、単純な作業ではあるものの、いざ雨が降り出してからでは濡れるので億劫だし、晴れているときはすっかり忘れていて、何年ものあいだ実行に移せずにいた。しかし一年ほど前のある週末、ちょうど雨が降りだしそうな空模様の時に、以前に別の目的のために使ったガラス研磨剤が目にとまった。そこでようやく重い腰を上げて問題の箇所を磨いてみることにした。すると効果覿面、降雨時のほとんどの時間は自動調節に任せておける迄になった。これが本来の性能であったのだ。

これ以来、定期的にセンサー部分の前面ガラスを磨くようにしている。ラテン系の人達、疑って悪かった…

名 前:舟橋 淳一(ふなはし じゅんいち)

出身地:愛知県
趣味:機械いじり・日曜大工・ネット検索
分野名:呼吸器外科学分野