調和すること

梅雨の湿った季節が明ける頃になると蛙があちらこちらで活発に動き回る様子を見かけます。ほぼ茶や緑ですが、彼らの中には、取り巻く環境の違いで体の色をあたりと調和させて目立たなくなるものがいます。

気仙沼で新種の川エビが発見されたとの話を耳にしましたが、仙台の郊外でも都市化が進み、流れにたゆたうスジエビなども見かける機会が少なくなってきたように思います。

一方で、今年は道すがらたくさんの蛙を見ます。窓からの風景は年を追うごとに変わっていきますが、窓辺に張り付いた四六の指を眺めながら、多様でありながら相変わらず調和すること、そして時の流れの中でも変わらない光景をかたちづくることにすてきな自然の機能を感じています。いのちの不思議と自然に生きるもののつながりを考えるとき、人工のものが自然と癒合することの困難さに向かいながら、またしなやかに適応することに思いを馳せています。