川島 隆太
Ryuta KAWASHIMA
 

大学の中間管理職の葛藤

ぼんやりと日本一の山を眺めつつ改めてグローバル化の意義を考える

 


 今年の夏は休暇をとり、川口湖畔でのんびりと富士を眺めることができました。前夜、地元の方に、富士山が世界自然遺産になれなかった理由、文化遺産になった理由をあれやこれやと聞かされ、そんなもんかいなと軽く流していましたが、朝日に赤く照らされる富士をみて、ユネスコが何をごちゃごちゃ言おうと、やっぱり富士は世界に誇れる日本一の山と惚れ直しました。

昨今、我々研究者の世界には、やれ国際共著論文の数を増やせ、海外の企業との産学連携をしろと、いわゆるグローバル化の圧力が、霞が関経由で大学本部より押し寄せてきています。私も所長として、所の財政を守るため(グローバル化に立ち遅れると予算が減らされます)、国際共同研究をどんどんやりましょう、海外学術機関との連携を促進し部局間学術協定を結びましょうと、彼らの御先棒を担ぐ発言を繰り返しています。

朝日に染まる富士をみながら、誰のための、何のためのグローバル化を目指しているのか?民間の学術評価機関が、あんたらは世界で何番と勝手につけた番付を気にして、結果として学問の自由を曲げ、発展を妨げることになっていないのか?富士のように、あんたらが何と評価しようと関係ない。見ろ、私の雄姿をと、威風堂々と無言で佇むことこそが正しいのではないか?さまざまな思いを胸に秘め、仙台に戻りました。

でも、加齢研という中小企業の経営者としては、教授会や若手教員たちとの懇談会で「グローバル化!」と叫ぶのだろうな・・・。南無。

名 前:川島 隆太(かわしま りゅうた)

出身地:千葉県千葉市
趣 味:NINJA H2、孫娘とのひと時
分野名:応用脳科学研究分野