瀧 靖之
Yasuyuki TAKI
 

知的好奇心は脳萎縮を抑える!

研究でも趣味でも、知的好奇心を持ち続けることは、人生を豊かにします
 


チョウと聞くとどんなことを思い浮かべるでしょうか。綺麗、かわいいと言ったところから、ヲタク、ちょっと苦手といった印象もあるかもしれません。私は子どもの頃からチョウの観察、採集、標本作製やチョウの専門書の読書にとても興味がありました。チョウと言っても、身近にどこでも飛んでいるような種から、世界でたった一つの山、あるいはたった一つの大洋の孤島で独自に進化した大変珍しい種まで、全世界に約2万種いると言われています。また、同じ種でも地域や島ごとに模様や色彩が異なるもの、あるいは非常に離れた大陸間の狭い地域でほぼ同種がいたりなど、分布に興味深い特徴が多々見られます。チョウの分布や進化は、非常に長い期間での大陸移動や島嶼の成り立ち、気候変動による海面上昇等のタイミング、植生、偏西風、他種への擬態など、多くの要因と密接に関わっています。つまりチョウを知ることは自然や地球そのものを知ることに繋がります。

このように、趣味を持つことで、知的好奇心や探求心が養われ、また多くの人脈や派生する知識も形成され、人生をとても豊かにします。もちろん研究活動にも大いにプラスです。更に最近私達の研究チームでは、知的好奇心を持つことが高次認知機能を担う脳領域の萎縮を抑えることを明らかにしました。是非皆でいろいろな趣味を持って知的好奇心を高めていき、加齢とともにますます成熟していくスマートエイジングを実践しましょう!

次回は、分子腫瘍学の田中先生です。

名 前:瀧 靖之(たき やすゆき)

出身地:北海道
趣 味:スキー、ピアノ、チョウの研究
分野名:機能画像医学研究分野