「国際化」に必要な事を学んだ学会参加 

平 恭紀
心臓病電子医学分野
 

マレーシア人との談笑から学んだ
「国際化」に最も必要な日本人の英語に対する姿勢。


私は、2015年5月31日から6月3日にマレーシア・コタキナバルで開催された The 10th Asian Control Conference(ASCC)に参加し、ポスター発表をさせていただきました。ASCCとは20年ほど前に発足した制御に関する学会で、現在はアジア各国だけではなく世界中から多くの研究者が参加し、制御工学だけではなく医療技術やバイオメカニクスに関する発表なども幅広く受け付けていて、今回私は人工食道の開発に関する研究の発表を行いました。

学会の休憩時間にマレーシア人の方と仲良くなり、その時に私の中における「国際化」とはどのようなものであるかという認識が大きく変わった事があり、そのことについてお話をさせていただきたいと思います。

彼女は三か月間ほど岡山大学で研究を行っていたそうです。彼女は日本文化への興味をもっており、日本についての話題を中心に様々なことについて話しました。その中で彼女が岡山大学で研究を行ったことがあるということから桃太郎の話をしたところ、興味を持って聞いていただきました。しかし、他の昔話について聞かれたときになかなかうまく答えることができませんでした。この時に感じられたのは、確かに自分の英語力が不足しているが、それ以上に私自身が日本についてあまり知らないと感じました。国際化ということで英語を勉強しなければならないということは誰しもが感じていると思いますが、それと同じくらい日本の文化やほかの国の風習などを知ることが重要であると感じました。

最後になりましたが、英語が全然話せない私および日本人に彼女が言ってくれた言葉を紹介したいと思います。

『日本人は英語を話せないことに対して罪悪感を抱いて卑屈になって話す人が多いが、それが英語を話せない最も大きな理由だと思う。英語を公用語にすることを強要されたことも必要になったこともない文化を形成できたことは素晴らしいことであると思う。だからこそ、もっと堂々として話せば英語はもっとうまくなると思う。』

下手な英語であっても堂々と話し、いつか本当の意味で自信をもって堂々と英語使いこなせる人間になりたいと感じました。

今回のASCC2015の参加は東北大学加齢医学研究所研究助成により実現しました。研究に関する様々な知見だけではなく、「国際化」に関する新しい考え方を得る機会をくださった川島隆太所長、山家智之教授、並びに発表に関して御世話になりました研究室の皆さまにこの場を借りて御礼を申し上げます。

画像:マレーシアの会場(上)/ マレーシア人に勧められた現地料理ラクサ(下)

名前:平 恭紀

所属:心臓病電子医学分野
(医工学研究科 人工臓器医工学講座 博士課程1年)