二度目の国際学会 

小林 亜紀子
機能画像医学研究分野(修士2年)
 

「とりあえずやってみる」のその先に見えてくる世界。


この度、スイス・ジュネーブで開催された第22回 OHBM’s annual meetingにて、ポスター発表をして参りましたのでご報告いたします。

OHBM(Organization for Human Brain Mapping)はヒトを対象とする神経イメージング研究を専門とする国際機構であり、毎年世界各地で開催されるannual meetingには約3000人の研究者や技術者が集まり、精神神経疾患研究から社会認知神経科学研究まで、またその方法論に至るまで、多岐にわたる研究領域の最新の知見が報告されます。私は定型発達児の脳発達と認知傾向との関連における性差についてポスター発表をして参りました。やはり英語に対する不安はありましたが、今回は、昨年ハワイで開催された第21回annual meetingから2度目の学会発表ということもあり、少しだけ心の余裕をもって臨むことができました。

その少しだけの余裕は、学会の見方を大きく変えてくれました。自分の研究がどの領域のどの位置にあるのかを直に感じる。領域を同じくする世界の研究者が、今何を考えていて、どんなことをしているのか、直接話を聞いてみる。そんなことができるのも、世界中の研究者が集まる国際学会だからこそ。この機会がどれだけ貴重なものであるかを実感するとともに、不安と緊張に委縮して、自分から行動を起こすことができなかった前回の学会を改めて後悔しました。話を聞いてみる、何かやってみる。前回できなかったことをしようと、心に決めて臨んだ今回。拙い英語でもどかしく思うことばかりではありましたが、なんとか意見を交わせたことに達成感を感じつつ、同じ目標をもった異国の研究者とのやりとりを通じて、もっと大きな世界とのつながりを感じることができました。

さて、ジュネーブはフランスとの国境に位置し、国連ヨーロッパ本部をはじめ、様々な国際機関が集う国際都市です。近代的なビルが立ち並ぶ中にも、宗教改革の舞台となった旧市街地の雰囲気は、ヨーロッパの古い歴史を感じさせます。国際都市らしい近代的な市街の中心部に広がるレマン湖と、遠くに見えるアルプスの山々との美しいコントラストがとても印象的で、いろんな風景が混ざり合う不思議な街でした。こんなに美しい街で、異国の文化に触れるということもまた、貴重な経験となりました。

最後に、今回の発表は平成28年度東北大学加齢医学研究所研究助成によって実現いたしました。川島隆太所長、瀧靖之教授をはじめ、ご指導いただいた先生方、ご支援いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

画像:ポスター発表中(上)/ レマン湖の大噴水(20時くらいなのにこの明るさ。なかなか日が沈みません。)(下)

名前:小林 亜紀子

所属:機能画像医学研究分野
(医学系研究科 医科学専攻 修士課程2年)