初めての学会発表 

石井 若菜
機能画像医学研究分野
 

ジュネーブで芽生えた少しの誇り。


2016年6月26日から30日にスイス・ジュネーブで開催された国際学会Human Brain Mappingに参加してまいりましたので、ご報告いたします。私は、遺伝子の一塩基多型と脳形態の相関に関する研究成果をポスターにて発表いたしました。

参加前、学会発表はおろか、アジア圏を抜け出すのも人生で初めてだった私は、誰も発表を聞きに来なかったらどうしよう、英語が全然通じなかったらどうしよう、そもそも飛行機が落ちたらどうしよう・・・などとネガティブな感情でいっぱいになっていました。

学会当日は、世界中の研究者が一挙に集まる会場に圧倒され、私の中のネガティブ感情はますます大きくなっていました。しかし、いざ発表の時間になると、足を止めて熱心に読みふける方、ポスターの写真を撮っていく方、質問やアドバイスをしてくださる方々がいました。

そして、研究経験も浅く半人前の私に、みな対等に、敬意をもって一科学者として話しかけてくださる姿勢に感動しました。研究成果に国境や地位は関係ない。英語が苦手だの話せないなど言わないで、自分もその敬意に応えなくては、と思い、必死で自分の考えていることを伝えました。

もちろん、言っていることも半分も理解できていなかったと思うし、自分の伝えたいこともほとんど伝わっていなかったと思います。学会中は自分の知識や英語力の不足、不甲斐なさを痛感することばかりでした。

しかし、それは自分自身の問題であり、「私の研究なんて」という言葉は慎み、より一層努力しなくてはならないなと強く感じました。何より、私のポスターを見て熱心に話をしてくださった研究者の方々のおかげで、以前よりも自分の研究に自信と誇りを持てるようになりました。

最後に、今回の学会発表は東北大学加齢医学研究所研究助成により実現いたしました。川島隆太所長、瀧靖之教授をはじめ、ご支援ご指導いただいた先生方に厚く御礼申し上げます。

画像:発表会場(上)/ ジュネーブの街から見えるレマン湖(下)

名前:石井 若菜

所属:機能画像医学研究分野
(医学系研究科 医科学専攻 修士課程2年)