初めての国際学会参加で感じたこと 

三友 英紀
呼吸器外科学分野
 

日本と世界との違いを知ることの重要性。


2015年9月13日から16日にベルギー・ブリュッセルで開催された17th Congress of the European Society for Organ Transplantation(ESOT)に参加してきました。ESOTは2年に1度開催されるヨーロッパでは最大規模の移植関連の学会です。私は大学院生として肺移植に関する研究を行っており、その成果をポスター発表してきました。また肺移植関連の研究発表を聴講し、新たな知見を得ることができとても有意義な時間を過ごすことができました。

今回の学会の特徴は紙を全く使用しないpaperlessの学会ということでした。学会プログラムやポスター発表は学会専用のアプリをダウンロードすることで閲覧します。会場では無料でiPadが貸し出され、参加者はiPadを片手に会場内を動き回っていました。時代の変化とともに今後はこのような学会が増えていくのかなと感じました。学会参加では研究の発表や聴講をすることももちろん大事ですが、異国の文化に触れることも楽しみの一つだと思います。

学会会場を一歩外に出ると、いたるところに中世からの町並みや建造物が残っており人々がその中で生活していました。また日本とは違い鉄道などで簡単に周辺の国にも行くことができます。学会の合間にオランダ・アムステルダムを訪れ、美術館では普段芸術に疎い私でも知っているゴッホの『ひまわり』を鑑賞することもできました。伝統や歴史を大事にしつつも現実に合わせてその中に近代的なものをうまく融合させていくヨーロッパの一端に触れることができました。

海外に行くと、海外では当たり前のことが日本では当たり前ではないことに気がつかされます。日本には日本の良さがもちろんあると思いますが、世界に目を向けるとさらに広い視点を持てると再確認することができました。そうすることで研究者としてはもとより人間としてもより可能性が広がるのではないかと思いました。

最後に今回の学会参加は東北大学加齢医学研究所研究助成により実現しました。川島隆太所長、岡田克典教授をはじめご指導ご協力をいただいたみなさまに心より御礼申し上げます。

画像:学会会場近くにある世界遺産のグラン・プラス(上)/ 有名な小便小僧。思ったより小さい・・・(下)

名前:三友 英紀

所属:呼吸器外科学分野
(医学系研究科 医科学専攻 博士課程4年)