杉浦 元亮
Motoaki SUGIURA
 

デザインの力

それは国の独立と経済の原動力となり、思想やアイデンティティとなる
 


フィンランド独立100周年記念 フィンランド・デザイン展(宮城県美術館2017.10.28-12.24)に行ってきました。それは「デザインとは何か」という認識を改めさせられる経験でした。

フィンランドの面積は日本より少し小さく、夏は森と湖が広がり、冬は雪が覆い尽くす大地に、北海道と同じ人口が住んでいます。昔からスウェーデンやロシアの支配下に置かれ、独立したのが100年前。帝政ロシア崩壊に乗じたわけですが、奇しくもロシア東端で同じように対ロシアで気勢を上げていたのが我が国です(日露戦争)。

ただ両国の違いは、フィンランド独立を後押しした力が「デザイン」だったという点。

1900年パリ万博において、多数の芸術家の総力を結集したフィンランド館の成功が、人々にアイデンティティと自信をもたらし、独立運動の重要な原動力になったという話。フィンランド経済を支える様々な家具、陶器、テキスタイル、ハイテク機器メーカーの躍進を、風土から生み出されたシンプルなデザインがもたらした話。

日本人とは「デザイン」の持つ意味が違うわけです。デザインとは心を動かすこと。日本の新しい価値の創出に向け、脳科学者も考えなおさなければいけないと思いました。

次回は、遺伝子導入の高井先生です。

名 前:杉浦 元亮(すぎうら もとあき)

出身地:東京/神奈川
趣 味:検討中
分野名:人間脳科学研究分野