佐藤 靖史
Yasufumi SATO
 

一つの画像が新しい研究テーマを作る

日々の研究の中から重要なことに気づき、新発見を掴み取ることが大切だ。
 


私は、血管新生を中心とした血管生物学の研究に専念して来たが、これまでの思い出深い研究として以下の2つを挙げたい。

1つ目は、New York Universityに留学中のものである。当時、私は内皮再生の研究を行っていたが、ある日、内皮細胞のwound migrationの画像の中に、内皮細胞とは異なる形態の細胞が恰も内皮細胞の再生を阻害しているように見える像を見つけた。その一つの画像が、潜在型TGF-β活性化の研究に発展し、留学先のその後の研究テーマを変換させることになった。

2つ目は、加齢研に来てからのものである。血管新生制御に関わる新規因子の探索中、VEGFで刺激した内皮細胞の遺伝子発現のmicroarray解析を行い、発現誘導された機能未知遺伝子の組替え蛋白を内皮細胞に振りかけたところ、内皮細胞のチューブ形成が顕著に抑制される画像を得た(写真)。その一つの画像が、我が研究室のその後のテーマとなるvasohibin family研究に結びついたのである。

次回は、遺伝子導入の高井先生です。

名 前:佐藤 靖史(さとう やすふみ)

出身地:大分市
趣 味:音楽鑑賞(JAZZ)、美術館巡り
分野名:腫瘍循環研究分野