小笠原 康悦
Koetsu OGASAWARA
 

「熱い情熱」に憧れて

発見の美酒を味わいましょう。
 


免疫学は、日本人研究者が世界をリードしており、論文のインパクトファクターも高いことが知られています。研究内容は、がん、感染症、自己免疫疾患など、多くの疾患に関与しており、とても臨床に近い研究分野です。

私がこの分野に進んだのは、熊谷勝男先生の研究室を訪れたことから始まります。当時、熊谷研には、安保徹先生(新潟大教授)、関修司先生(防衛医大教授)、樗木俊聡先生(東京医科歯科大教授)、竹田和由先生(順天堂大准教授)がおられ、昼は皆忙しく実験していているかと思うと、「大発見だ!」と歓喜と怒声が入り混じった激しい議論がおこり、私は先生方に話しかけるきっかけもなく、右往左往しておりました。夕方5時を過ぎると、どこからか一升瓶が出てきて、毎晩酒席が始まります。毎晩なのです。先生方は、「熱い情熱と純粋な心」をもっていて本気で議論しています。学生の私には、「いい大人がなぜこんなにも熱中できるのだろう。そんなに免疫って面白いのか。」と思っていました。ところが、実験を始めてみると、これが面白いのです。細胞が異物を認識するために、いくつもの形を変えていきます。すっかり免疫学研究にとりつかれてしまいました。また、熊谷研の熱い情熱をもった先生方はとても魅力的で輝いていました。いつしか先生方のようになりたいと憧れをもつようになり、研究を続けることになりました。 若い研究者の皆さん、免疫学面白いですよ。ぜひ一緒に研究して大発見の美酒を味わいましょう。

次回は、神経機能情報研究分野の小椋利彦先生です。

名 前:小笠原 康悦(おがさわら こうえつ)

出身地:秋田県
趣 味:スキー
分野名:生体防御学分野