本橋 ほづみ
Hozumi Motohashi
 

道端での出会いと基礎棟3階での出会い

形態異常の向こうに潜む遺伝子の機能異常を知りたい
 


耳鼻咽喉科の大学院1年生だった私は、難聴を示す変異マウスの内耳の電子顕微鏡観察をするために、板ガラスをぱりんぱりんと割ってはガラスナイフを作り、超薄切片作成に明け暮れていました。内耳の形態に異常があることがわかってくると、その原因が知りたくなってくるものです。形態異常の原因を理解するにはこのマウスの遺伝子異常を知る必要があるはず、遺伝子の研究をしたい!という渇望のようなものを感じ始めたものの、つてもなくどうしたものかと思いあぐねていました。そんなある日、医学図書館の前で同級生の一人にばったり出会いました。あら、お久しぶり!元気?それがさ、どこか基礎の研究室で、なんでもいいから遺伝子の研究してみたいのよねぇ〜。基礎棟の3階?第II医化学?ふーん、全然知らないけど、ありがと、いってみるわ。

というわけで、当時の第II医化学にいらした山本雅之先生、五十嵐和彦先生との出会い、CNC-MAF転写因子との出会いがあり、以来、遺伝子の発現制御機構の研究に「はまって」います。振り返ればこれまでの一つ一つの出会いがとても大事なものであったと感じます。今、私のもとを訪ねてくれる学生のみなさんに、そんな出会いを提供したいと常々思っていますが、思いはなかなか通じていない??

次回は老年医学、荒井先生です。お楽しみに。

名 前:本橋 ほづみ(もとはし ほづみ)

出身地:生まれは鹿児島、育ちは仙台
趣 味:ウィンドウショッピング
分野名:遺伝子発現制御分野