堀内 久徳
Hisanori HORIUCHI
 

ふるさと。

鬼ごっこのついでに地面を掘っていれば歴史の大発見だったのに!
 


私の故郷は奈良盆地の東の端の、山辺の道という我が国最古の道が通っている町というか村です。少し山際には崇神天皇陵があって、ゆっくり周囲を一時間程かけて歩くのが散歩です。もう少し行くと日本武尊(ヤマトタケルノミコト)のお父上である景行天皇の御陵もあります。子供の頃は近所の通称黒塚公園でよく遊びましたが、どう見ても前方後円墳そのものでした。前方部は平らにされて鉄棒や滑り台があり、後円部は森で周囲2-3mの樹々や洞穴などがありました。後円部の頂上には何なのかよく判りませんが1m x 1m x 1m程の石垣のようなものがあり、その上を牢屋にしてよく鬼ごっこをしました。

ところが10年ほど前に発掘調査がありその‘牢屋’の下から三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)が30枚以上出土して何度も大新聞の一面を飾りました。私は聞いたことがありませんでしたが、黒塚は邪馬台国が畿内なら卑弥呼の重臣のお墓ということです。いつの間にか黒塚公園は黒塚古墳となり、文化財化・観光地化されてしまい、ずいぶんと様相が変わってしまいました。しかし一時の賑わいもそれほど続かず元の田舎に戻りました。若干寂しい気もしないではないですが。人々が農耕しながら鹿やウサギを追いかけていた西暦100年頃に時々想いを巡らします。

次回は医用細胞の松居先生です。

名 前:堀内 久徳(ほりうち ひさのり)

出身地:奈良県
趣 味:囲碁、サッカー、美術鑑賞
分野名:基礎加齢研究分野