田中 耕三
Kozo TANAKA
 

北山界隈そぞろ歩き

見慣れた景色でも、ちょっと角を曲がれば新しい発見があるかも?
 


100年前と現在の仙台の地図を見比べると、変わらないのはお寺と神社です。寺社が集中する加齢研周辺は、昔ながらの入り組んだ道が今も残っています。私は夕方になって頭が煮詰まってくると、よくふらっと外に出かけます。1つ路地に入ると急に見慣れない景色が広がるかと思えば、どこかで見たような光景に昔の記憶がよみがえったりと、気分転換にはもってこいです。広島大学在任中に近くの比治山から見た広島市街の風景や、留学中に石造りの家並みを抜けた丘から見渡したスコットランドの雄大な景色は今も目に焼き付いています。

そして今では四季折々に北山から仙台市街を見渡しています。この辺りは大崎八幡宮、保春院(伊達政宗生母)や支倉常長、林子平の墓、「樅の木は残った」の荘厳寺の逆さ門など見所にも事欠きません。歩いてみると昔の水路がそのまま道になっていたり、寺社の周囲を道が迂回していたりしてとても変化に富んでいます。広い道が行き止まりになったかと思えば、まさかと思うような細い道がちゃんと向こうまでつながっていたりして飽きることがありません。これって研究の醍醐味と同じなんですよ。

次回は腫瘍生物学の千葉先生です。

名 前:田中 耕三(たなか こうぞう)

出身地:鹿児島県
趣 味:娘と散歩、歴史小説、メダカの飼育
分野名:分子腫瘍学研究分野