松居 靖久
Yasuhisa MATSUI
 

命のろうそく

どんなふうに歳をとろうか。
 


寿命をろうそくの炎にたとえた「死神」という古典落語があります。命のろうそくって、継ぎ足すことはできるのでしょうか? 幼いころに抱いた死への恐怖は、何十億年の時間の中で自分がいないことがほとんどだったのだから元に戻るだけで、その方が普通なんだという、なんだかよくわからない説明を自分にして今に至ります。でも、人生の後半戦を過ごすようになって、最近、また、ちょっと気になります。自分のろうそくは、どんなかたちで、あとどれくらい残っているんだろうか?

日曜日の夕方、アロマ用に買ってあったろうそくに火を灯すと、机の上がオレンジ色に照らされました。自分は、どんなかたちであれ、何かを照らすことができるのだろうか?

先日、恩師のBrigid Hogan先生の退職記念行事が米国のデューク大学でありました。Brigidさんが受け渡してくれた研究への向き合い方が、今の自分の多くを作っていると感じます。彼女が今もそうしてくれているように、周りの誰かを照らすことができたら素晴らしいのだが、と思います。
(写真:ハリーポッターみたいなデューク大学)

次回は心臓病電子の山家先生です。

名 前:松居 靖久(まつい やすひさ)

出身地:東京都
趣 味:研究すること、工事中や新しい大型建築物を眺めること、鉄道に乗ること、写真を撮ること
分野名:医用細胞資源センター