サンディエゴで初めての国際学会 

大澤 千尋
神経機能情報研究分野(修士2年)
 

温暖なアメリカ西海岸の気候に包まれて自身の成長を促す


私は今回、2018年3月11日から3月14日にアメリカ合衆国のカリフォルニア州サンディエゴで開催されたSOCIETY FOR INHERITED METABOLIC DISORDERS 40th annual meetingに参加し、ポスター発表を行いました。

本学会は先天性の代謝疾患に関する研究の知見を、基礎研究者と臨床研究者が共有することを目的としていました。これまで私は、ミトコンドリアの代謝機能に直接影響を与える薬剤の研究を行ってきましたが、分子生物学的に作用カスケードを頭の中でイメージすることはできても、それが具体的に臨床でどのように応用可能かを考える機会はありませんでした。しかし今回の学会参加により、臨床現場を知る医師や、最前線で活躍する研究者による発表を聴講することで、自分が取り組んできた研究が創薬のどのような段階で役立ち得るのかを感じ取ることができました。

また、今回は私にとって初めての学会発表、しかも国際学会でした。これまで短期留学などで日常会話レベルの英会話に触れた経験はありましたが、サイエンティフィックな単語が飛び交う研究発表の場で、ディスカッションを行うことに、渡航前は大きな不安を抱えていました。しかし、いざ到着してみると、私の想像以上に参加者がフランクであり、ポスター発表のディスカッションも、堅苦しさは全くありませんでした。私のような若手研究者も各国から参加しており、そこでは英語の巧拙は誰も気に留めず、ただ意見交換を積極的に行うことが求められているように感じました。世界で活躍するためには、研究室や研究所という限られた環境に収まらず、自分を表に出してとにかく積極的に話すことが大切なのだと痛感しました。私も勇気を振り絞って口を開いてみると、こちらの拙い英語でも、理解しようと皆が必死に耳を傾けてくれ、1時間の発表時間はあっという間に過ぎてしまいました。

私は今回、単独での海外渡航と国際学会参加を通して、自分で思っていたよりも“できる”という自信がつきました。今後も失敗を恐れず、まずは一歩前に踏み出す!そうして少しずつ前向きなチャレンジを積み重ねることで、様々な場面において自分の最大限の力を発揮できるようになりたいと感じました。

私にとって非常に大きな成長の場となった、今回の学会参加を支援してくださった川島隆太所長、そして小椋利彦教授に深く感謝申し上げます。

画像:学会の様子(上)/ 学会会場からの景色 (温暖な気候でした)(下)

名前:大澤 千尋

所属:神経機能情報研究分野
(生命科学研究科 生命機能科学専攻 修士2年)