サンフランシスコで初めての国際学会 

山崎翔平
人間脳科学分野(博士1年)
 

世界に出ることで得られたもの


2017年3月24日~30日にサンフランシスコで開催された第24回Cognitive Neuroscience Societyに参加してきました。この学会は毎年アメリカで開催され、認知神経科学に関する最先端の研究が世界中から集まる学会です。

今回、“Boosting self-esteem through remembering relaxed social experience suppresses envy and resultant schadenfreude as measured with fMRI”という題で、他者の不幸を喜ぶ感情であるシャーデンフロイデは自尊心を向上することで抑制できるという内容の研究を発表してきました。ポスター発表を行い、各国の研究者と英語で意見を交換することができ、とても貴重な経験となりました。

シャーデンフロイデを専門に研究している社会脳の研究者の数はそこまで多くありませんが、ネガティブエモーションに興味を持って研究している人には特に面白がっていただけたと感じています。介入研究は今後の社会知性研究の柱のひとつになるのではないかと彼らと議論しながら感じました。

サンフランシスコは建物がとても綺麗でした。天候もよく、青空の下にビクトリア・ハウスが整然と並んでいる様は壮観でした。ケーブルカーに乗車し、街中をのんびりと移動しながら車掌の歌を聞いていると、西海岸の穏やかな雰囲気を感じることができました。有名なゴールデンゲートブリッジでは、そのスケールの大きさ、雄大さに衝撃を受けました。

初めてアメリカに足を踏み入れ、日本との差を強く感じました。アメリカの多様性を重要視し自己と違う価値観を拒絶しない風土は、研究者にとっても大切な気持ちの持ちようであると思います。

国際学会に参加して、世界の社会認知神経科学研究の歴史の中に自分の研究が存在していること、また世界の若手が今注目している点が何なのかを学ぶことができました。今後の研究生活に役立てることを数多く知ることができ、とても有意義な時間となりました。

最後に今回の学会参加は、東北大学加齢医学研究所研究助成を頂き実現しました。川島隆太教授、杉浦元亮教授をはじめ、ご協力いただきました皆様に心より感謝申し上げます。

画像:学会発表の様子(上)/ ゴールデンゲートブリッジにて(下)

名前:山崎翔平

所属:人間脳科学分野
(医学系研究科 医科学専攻 博士1年)