留学へのハードル 

青木七菜
医用細胞資源センター(博士2年)
 

サイエンスはどこにいても変わらない


私は東北大学の自然科学系短期共同研究留学生交流(COLABS)プログラムを利用し,カナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)へ1ヶ月間の短期留学を経験致しました。留学を決意してから,帰国まで,その全てが貴重な経験であったと感じています。

生物を扱う研究を行っている学生は留学をすることが難しいように思います。その理由は,今の研究にとにかく時間が必要で,足を外に向ける時間がとれないということが一番大きいのだと思います。しかし,同じ分野の中で周囲に留学経験者が少ないことも理由の一つだと思います。修士課程の時に私は,ふと,海外の研究室の生活を学生のうちに経験したい,と思いました。

今の環境を離れて海外で自分が何を感じるのかを知りたくなったのです。思い立ったが吉日の勢いで行動に出たものの,留学の決定まではなかなか時間を要しました。まず,受け入れてくれる海外の研究室を自ら探し,全く面識のない教授たちにお願いのメールをひたすら送りました。初めてのことで,アプライするメールには何が必要か,どのように書いたら良いのか,課題ばかりでした。2ヶ月程して奇跡的に,受け入れてくれる研究室が見つかりました。

UBCでの研究室生活はどれも新鮮で面白味がありました。私は英会話が苦手でしたので,研究室でのコミュニケーションには悔いが残ります。しかし,国が違っていても,実験や研究の大枠は同じですから,英語が流暢でなくても,異国にいながら日本にいるような安心感がありました。衣食住に対して違和感は非常にありましたが,研究室生活に対して違和感はあまり感じませんでした。実際に渡航するまで留学のハードルは非常に高かったのですが,行ってしまえば,なぜあれほど高いハードルに見えていたのかと不思議なくらいでした。

サイエンスは世界共通であり,それによって人々を繋いでくれるということを認識できた素晴らしい1ヶ月でした。また,余計なことは考えず,ただひたすらに,研究は面白い,ということだけを改めて感じさせてくれる機会になりました。学生のみなさま,ぜひ時間を作って,学生のうちに日本から一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?最後になりましたが,留学の機会を与えて下さいましたUBCの先生方やスタッフ,指導教員である松居先生,また,東北大学COLABSプログラム,加齢研の研究助成にサポートして頂きましたことを心より感謝申し上げます。

画像:研究室のメンバーでアイスホッケー観戦をした様子(上)/ Life Sciences Instituteの中の様子(下)

名前:青木七菜

所属:医用細胞資源センター
(生命科学研究科 生命機能科学専攻 博士2年)