生殖細胞の細胞内代謝の特徴と役割
‐生殖細胞の独特なエネルギー代謝変化の必須な機能‐

 東北大学加齢医学研究所医用細胞資源センターの松居靖久(まついやすひさ)教授と林陽平(はやしようへい)助教らの研究グループは、マウス胎仔生殖細胞の代謝状態が、多能性幹細胞や体細胞とは大きく異なることを見出し、さらにエネルギー代謝の特徴的な変化が生殖細胞の形成・生存と再プログラム化に影響を与えることを世界で初めて明らかにしました。本研究成果は、生殖細胞の形成・分化に、独特な代謝状態が関わっていることを示し、不妊や先天性異常の原因解明につながる可能性があります。研究結果は、米国科学アカデミー紀要(Proceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America) 電子版に掲載されます。

 本研究は、東北大学大学院医学系研究科、東北大学メディカルメガバンク機構、慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)との共同研究で行われました。また本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)「エピゲノム研究に基づく診断・治療に向けた新技術の開発」研究開発領域における研究開発課題「世代継承を担うエピゲノム制御の解明」、文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「配偶子産生制御」、及び東北大学附置研究所若手アンサンブルプロジェクトの一環で行われました。なお、AMED-CRESTにおける本研究開発領域は、平成27年4月の日本医療研究開発機構の発足に伴い、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)より移管されたものです。

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東北大学加齢医学研究所
教授 松居靖久(まついやすひさ)
助教 林陽平(はやしようへい)
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E-mail:yasuhisa.matsui.d3@tohoku.ac.jp