桜田 晃
Akira Sakurada
 

朝の広瀬川

今年の奇妙な時間を過ごすささやかな工夫
 



今年は、新型コロナウイルスの影響でイベントが軒並み中止になっている。暦の上では7月も残すところわずかであるが、何かを置き忘れたまま時間が過ぎているような、漠然としたもどかしさのような、奇妙な感覚がある。

朝の混雑する地下鉄は剣呑かもしれないと思い、2月末頃から少し早起きして歩く機会が増えた。広瀬川の白鳥、河畔の桜、コブシ、レンギョウ、ツツジ、紫陽花などの花々で季節が進行している事を実感できる。一方、人はまばらで、学生の自転車も見かけない朝がしばらく続いた。2020年を特殊な年として将来思い出すことになるのは間違いないが、この静かすぎる風景も、コロナ禍の一側面を象徴するものになるだろうと思っている。

他者との距離に注意を求められる状況はまだ続く。最初に述べた違和感はしばらく無くならないだろう。最近になって、歳時記に少し注意を払うのが有効かもしれないと思い始めている。もうそろそろ大暑で、土用丑の日も近い。ウナギは有名であるが、丑湯といって薬草風呂の風習もあるそうだ。桐の花が実を結ぶのもそろそろとあるが見つかるだろうか?「第2波」でひどい事態にならないことを祈りつつ、季節の変わり目を感じていきたいと思う。

名 前:桜田 晃(さくらだ あきら)

出身地:青森県
趣味:マラソン
分野名:呼吸器外科学分野