オーストラリア留学体験記 

榊 浩平
応用脳科学研究分野(博士4年)
 

若手研究者の海外挑戦、自信と課題を胸に次のステージへ


この度、2017 年 12 月 1 日~2018 年 3 月 31 日の4 か月間、シドニー大学に研究留学を致しましたのでご報告申し上げます。

12 月 1 日、仙台ではその冬初めて本格的な降雪が見られた日、私は南半球に位置するオーストラリアへ旅立ちました。シドニー国際空港に降り立った私を初夏の心地よい風が出迎えてくれました。シドニーの夏の気温は 20 ~ 30 ℃程度で湿度が低く、この冬歴史的な大寒波に見舞われておられた日本の皆様には申し訳なく思う程、快適な素晴らしい環境でした。

シドニー大学は1850年に設立されたオーストラリアで最も歴史のある世界トップレベルの大学です。キャンパスにはハリーポッターのホグワーツを思わせる歴史ある美しい建物が立ち並び、学生達は皆優秀で 24/7 開放されている図書館で深夜まで机に向かう姿が印象的でした。

4 か月という短い期間ではございますが、特に以下の 3 点について留学を通して自身の成長を感じております。

1 つ目は新たな研究能力の習得です。国内外に関わらず、それぞれの研究室には違った流儀があります。例えば、私は今まで実験プログラムを Python で記述しておりましたが、留学先の研究室は Java を使用しておりました。そのため、私は短期間で英語に加えて新たなプログラミング言語まで習得する必要がありました。結果的に図らずも新たな武器を手にすることが出来ました。

2 つ目は精神力です。家探し、携帯電話の契約、銀行口座の開設など日本では簡単に出来ることが、海外生活では大きな試練となりました。まるで毎日が冒険だったピカピカの 1 年生に戻った様な気持ちで、出来なかったことが出来る様になる感動を短期間で山程味わうことが出来ました。その結果、新しい事にも果敢に挑戦し、不測の事態にも動じない強い精神力を身につけることが出来ました。

3 つ目は広い心です。シドニーは多国籍多民族な街で、自分の常識と外れた行動も文化が違うのだから仕方がないと、皆それぞれ寛容に受け入れて生活しています。一方日本では、日本人同士もそれぞれ異なる価値観を持っているにも関わらず、常識を押し付ける人が多い様に感じられます。多文化の環境に身を置くことで、他人の意見や価値観を尊重して受け入れる広い心を持つことの大切さを改めて感じました。

この度の海外挑戦で得た確かな自信を大切に、浮き彫りになった課題と真摯に向き合い、海外学振など次の機会を掴む為にも、引き続き精進して参る所存です。
最後に、留学を快諾して下さった川島隆太教授および受入先の Damian Birney 上級講師、研究計画についてご指導いただいた野内類准教授に厚く御礼申し上げます。

画像:美しいキャンパス(上)/ ビーチで楽しむフィッシュアンドチップス(下)

名前:榊 浩平

所属:応用脳科学研究分野
(医学系研究科 医科学専攻 博士4年)