シドニーで得た自信 

小林 亜紀子
応用脳科学研究分野(博士1年)
 

ひとつずつ、次のステップへ


この度、平成29年度加齢医学研究所研究助成をいただき、3月にシドニー大学で開催されたCognitive Training Symposiumで口頭発表をして参りました。

この時期のオーストラリア・シドニーは、真夏の最も暑い時期を過ぎ、秋の訪れを感じさせる心地よい風が吹いていました。それでも日差しはとても強く、シドニーでも人気のボンダイビーチは、海水浴やマリンスポーツを楽しむ人々で賑わっていました。今回シンポジウムが行われたシドニー大学は、オーストラリア最古の名門大学です。シドニー大学の顔とも言われるグレートホールとクワドラングルはネオゴシック形式の歴史を感じさせる建物ですが、その奥では、近代的な研究棟やカフェテリアが調和する、とても美しいキャンパスでした。今回は初めての口頭発表でしたが、初めて国際学会に参加し、不安と緊張で固まっていた3年前と比べると、落ち着いて発表に臨むことができました。また、Damian教授をはじめとする先生方とのディスカッションに参加できたこともとてもうれしく、自らの成長を感じることができました。これも、日頃英語で行われるミーティングや、留学生との交流の積み重ねがもたらしてくれたものだと思います。

さて、オーストラリアといえばその独特な生態系が有名で、棲息する動物のほとんどが固有種と言われています。シドニーには、郊外のものを含めると5つも動物園があり、市内のホテルからも徒歩でコアラやカンガルーに会いに行くことができます。私も発表を終えてから市内のWild Life Sydney Zooに繰り出したのですが、とにかく動物(しかも固有種)との距離が近く、その迫力にはとても驚きました。そこで私は、オーストラリア固有種のクアッカワラビーという小さなワラビーに会うことができました。人懐っこくて自ら近寄ってきてくれるうえに、かわいい笑顔を見せてくれるので、世界一幸せな動物とも呼ばれています。この笑顔に、私もとても幸せな気持ちになりました。国際学会に参加することの楽しみは、普段できない海外の研究者との交流と、その地でしかできない貴重な体験ができることです。シドニーでの体験にまた刺激をもらい、さらに研究に邁進する所存です。

最後に、今回の学会発表は加齢医学研究所研究助成により実現しました。ご指導いただいた川島隆太教授、野内類准教授、ご支援、協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

画像:初秋のボンダイビーチ(上)/ 笑顔のクアッカワラビー (Wild Life Sydney Zooにて)(下)

名前:小林 亜紀子

所属:応用脳科学研究分野
(医学系研究科 医科学専攻 博士1年)