OHBMカナダでの初めての参加 

河田百合子
応用脳科学研究分野(修士2年)
 

渡航の概要と成果


2017年06月25~29日にカナダのバンクーバーで開催された「The 23nd Annual Meeting of the Organization for Human Brain Mapping (OHBM) 2017」に参加しました。今年は参加者が25カ国以上からの約3000人となり、演題の提出数も468近くにのぼりました。参加者の多くはアメリカや中国からですが、日本からも少数ながら東京大学参加者がいました。今回は、45分のkey note lectureが8セッション、1時間10分のInvited Symposium、2時間のポスター・セッションが4回で計2424題と充実していた一方、各演題15分のスライド・セッションは26回で計104題でした。私は3日目午後中のポスター・セッションで発表をして、分野外の研究者にも興味を持ってもらい、有益なコメントをいただくことができました。

今回研究発表で用いられた測定手法としては、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)や脳磁図(MEG)、脳波(EEG) をはじめとするイメージング法、中でもMEG研究の数が多かったです。また、disorders of the nervous system, modeling and analysis methodsやperception and attentionの話の研究なども多くみられました。少数ながらauditoryとattentionの関係を調べている研究もあり、この分野の将来的な広がりと、応用の可能性を感じさせる内容になっていました。

学会は1日目の午後のopeningから始まり、lectureはアメリカのStanford 大学のCarla J. Shartz-diseaseによる、「Synapses lost and found」に関する講演でした。ニューロンのシナプスに関するlectureでしたが、アルツハイマー病や自閉症に関する記憶などの神経活動を話してくれました。他の日では、Texas at Austin 大学のTal Yarkoniによる、「Threats to Valid inference with fMRI」に関する講演でした。メインルームであるBallroom ABは満席で、そこでは解析や強力なツールなどに関する話をしてくれました。

ここで特に引用したいのが、東北福祉大学の小川誠二先生による、「On some approaches of fMRI」に関する講演でした。BOLD法に基づいた画像処理法として機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を開発した時の話をしてくれました。

今回、経験や知識不足も有り、全てを十分理解できているとは言えませんでしたが、其れでも、刺激にもなり、また、気付かされることも多く、非常に勉強になりました。其れを今後の研究に生かしていくことが課題だと考えています。

画像:ポスターセッションの様子(上)/ 学会の様子(下)

名前:河田百合子

所属:応用脳科学研究分野
(医学系研究科 医科学専攻 修士2年)