◇令和元年8月9日(金)加齢研研究員会セミナーのご案内
日時: 令和元年8月9日(金)午後4時00分〜
場所: 加齢研実験研究棟7階 セミナー室 1
演題: がん微小環境選択的な分子標的治療戦略
講師: 北原 秀治
所属: 東京女子医科大学医学部解剖学講座/早稲田大学政治経済学術院大学院経済学研究科
担当: 鈴木 康弘(所属 腫瘍循環研究分野・内線 8532)
要旨: 悪性腫瘍が誘導する異常な腫瘍血管は、低酸素、低pH環境などの腫瘍微小環境を作り出し、免疫原性の低下を引き起こす。癌細胞は免疫抑制因子を産生し、さらに関連細胞が惹起され、癌生育に最適な免疫抑制性環境が構築されていく。こうした腫瘍免疫機構をはじめ、腫瘍微小環境コントロールするためのメカニズムには不明な点が多く、臨床応用するためにも早急に解明が必要である。われわれは上記を背景とし、この「腫瘍血管のコントロールによる腫瘍微小環境の正常化、そしてそのメカニズムへのアプローチ」が、結果として既存の治療効果を最大限に発揮させる宿主環境を構築し、次世代の癌治療法となることを確信している。本セミナーでは、我々が独自に開発した腫瘍モデルマウスを用いて、分子標的治療薬や免疫療法、そしてその併用療法が腫瘍血管、腫瘍微小環境にどのような変化を与えるかを、最近の動向と合わせて報告する。