◇令和5年3月10日(金) 加齢研研究員会主催 高井俊行教授退職記念講演のご案内

日時: 令和5年3月10日(金)16時〜
場所: 加齢医学研究所 スマート・エイジング研究棟1階 国際会議室
演題: 免疫制御受容体の研究と創薬-研究者の本懐とは
講師: 高井俊行
所属: 東北大学加齢医学研究所 遺伝子導入研究分野
連絡先: 蘇 美慈(所属 遺伝子導入研究分野・内線 8504)
要旨: 私は,大学院生の時代はイオンチャンネルの遺伝子クローニングに明け暮れていましたが,多少の変遷を経て,加齢研では米国研修中のノックアウトマウスの仕事が端緒になった研究を25年ほど続けて来ました。それは,免疫応答のスイッチが受容体を介して正と負の両方向に押されることと,これが炎症性疾患を開始したり制御したりする重要な仕組みであることをいろいろな疾患で理解し,創薬にまで応用することです。免疫チェックポイントの阻害によるがん治療という,当世,隆盛を極めている概念も,免疫チェックポイント=制御受容体のはたらきを創薬に応用したものです。私たちのラボでは,免疫チェックポイントの利用はがん治療にとどまらず,自己免疫疾患や神経変性疾患にも応用できると考えています。
さて,研究を人生の半分近くの長いあいだ続ける中ではいろいろと思い悩むことも多かったのですが,今回のセミナーでは私たちのラボの活動を振り返りながら,研究者の本懐とは何かについて考えてみることで,若いみなさまへエールを送りたいと思います。