◇平成29年9月4日(月)加齢研セミナーのご案内
日時: 平成29年9月4日(月)午後5時~
場所: 加齢研 プロジェクト棟1階 中会議室
演題: 胸腺におけるT細胞レパトア制御
講師: 新田 剛
所属: 東京大学 大学院医学系研究科免疫学講座
担当: 小笠原康悦(生体防御学分野・内線:8579)
要旨: 胸腺はT細胞のレパトア形成の場である。胸腺の皮質上皮細胞は、胸腺プロテアソームをはじめとする特殊なタンパク質分解系をもち、固有の自己ペプチド/MHC複合体を提示することでT細胞の正の選択を制御する。私達は最近、胸腺プロテアソームの構成因子PSMB11のヒト遺伝子に、機能欠損型のvariationが高頻度に存在することを見出した。遺伝子改変マウスの解析によって、これらのvariationはCD8 T細胞レパトアを変化させることがわかった。さらにヒトGWAS解析により、日本人に高頻度に検出されるPSMB11多型が自己免疫疾患と関連することが示された。これらの結果は、広く研究されてきたMHC多型に加え、胸腺での自己ペプチド生成遺伝子の多様性がT細胞レパトアと疾患感受性に影響を及ぼすことを強く示唆する。