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教授 魏 范研
助教 二口 亜希子


私たち代謝生理学研究室は、RNAとその多彩な化学修飾という視点から細胞内シグナル伝達やエネルギー代謝の新しい仕組みを研究しています。RNA修飾の研究を通して、生体恒常性維持の分子機構やその破綻による糖尿病や認知症など様々な加齢関連疾患の発症機序の解明、さらにはRNA修飾の制御による新しい治療法の創出を目指しています。

RNAはゲノム情報をタンパク質へ仲介する分子であり、mRNAやtRNAなど様々な種類が細胞に存在します。近年、RNAに非常に多彩な化学修飾が施されていることが見出され、これらの修飾がエネルギー代謝など基幹的な生命現象に関わることから(下記参考文献を参照)、RNA修飾が次世代の研究分野として注目されています。特に加齢関連疾患においては、代謝やシグナル伝達の異常が加齢に伴う生体恒常性低下の原因であることが提唱されていますが、その分子機序は極めて複雑であり、新しい視点からの解明が待たれています。私たちはRNA修飾という革新的な切り口から、生体恒常性維持の仕組みと加齢関連疾患の発症機序解明に挑戦しています。具体的には、(1)RNA修飾の代謝を基軸とする新規シグナル伝達の解明、(2)RNA修飾によるミトコンドリア代謝制御の仕組みの解明、(3)RNA修飾の網羅的解析による加齢関連疾患の分子機序の解明、以上の3項目を中心に研究を行なっています。

参考文献:
1. J. Clin. Invest. (2011) 121, 3598–3608.
2. Cell Metab. (2015) 21, 428–442.
3. Nucleic Acids Res. (2017) 45, 435–445.
4. Nat. Commun. (2017) 8, 1177.
5. Cell Rep. (2018) 22, 482–496.