東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

セミナー

◇平成27年7月31日(金)加齢研セミナ-のご案内
日時: 平成27年7月31日(金)午後4時~
場所: 加齢研実験研究棟7階 大会議室
演題: 1.福島原発事故に伴うβ線積算空間線量の評価
2.モンテカルロ計算を用いた放射線災害時の放射能・線量推定
講師: 1. 遠藤 暁
2. 田中 憲一
所属: 広島大学大学院 工学研究科
担当: 福本 学(病態臓器構築研究分野・内線 8509)
連絡先:漆原 佑介(病態臓器構築研究分野・内線 8509)
要旨: 1.2011年3月11日の東日本大震災に伴い発生した福島第一原子力発電所事故により広範囲の土壌が汚染された。この放射能によるγ線の外部被曝については,多くの機関・研究者による線量推定が行われている。それに対しβ線は,生体表面で遮蔽され全身被曝に寄与しないため,これまでほとんど評価されていない。一方,汚染地域に生息する昆虫の突然変異が報告されているが,γ線線量は低く突然変異の原因とは考えにくい。体の小さい昆虫ではβ線被曝が全身被曝に相当することから,β線の寄与を考慮する必要がある。 福島県全域のβ線積算空間線量を推定するため、モンテカルロ計算を用いて137Cs 1000 kBq/m2沈着時に土壌中及び土壌表面におけるβ線の積算線量を推定した。更に、文部科学省が実施した2kmメッシュ調査の実測放射能濃度データを組み合わせ、福島県全域のβ線積算空間線量を作成を試みた。また現在、レンガを用いたOSL法により、β線積算線量の実測を検討している。

2.モンテカルロ計算は、乱数を用いて何らかの量を評価する手法である。予め「ある事象が起こる確率」を設定しておき、発生させた乱数の値がどの事象に相当するかにより、起こる事象を決定する。たとえば放射線の輸送では、進んできた放射線がどの場所でどのような現象を起こすかを決め、これを放射線の経路に沿って順次行うことにより、放射線がたとえば吸収されるなどのような終状態に至るまでの経路や、起こる反応を予測する。本報では、放射線災害時の放射能・線量推定におけるモンテカルロ計算の適用例を示す。  放射能推定では、ロシア・テチャ川流域の核燃料再処理施設事故に伴って牛歯・鹿角に蓄積した90Sr濃度を、イメージングプレートによる測定とモンテカルロ計算コード「MCNP」による感度補正を組み合わせて推定する。  線量推定では、β線・γ線の輸送をMCNPで模擬することにより、広島原爆由来の放射化土壌による人皮膚線量を推定する。


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