東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

セミナー

◇平成27年7月15日(水)加齢研セミナ-のご案内
日時: 平成27年7月15日(水)午後5時~
場所: 加齢研実験研究棟7階 セミナー室1
演題: 1.シグナルの役割リンパ管内皮形成における骨形成因子(BMP)シグナルの役割
2. apelin-APJシグナルによる動静脈形成の制御機構
講師: 1. 吉松 康裕
2. 木戸屋 浩康
所属: 1.東京薬科大学・生命科学部・腫瘍医科学
2. 大阪大学 微生物病研究所 情報伝達分野
担当: 佐藤 靖史(腫瘍循環研究分野・内線 8528)
連絡先:鈴木 康弘(腫瘍循環研究分野・内線 8532)
要旨:  (1)BMPファミリーは骨や血管など様々な臓器の形成に重要な役割を果たしている。この中で特にBMP-9は血管内皮細胞に選択的に発現しているALK-1という受容体を介してシグナルを伝達し、血管形成に重要な役割を果たすことが報告されている。しかし、リンパ管形成における役割については未解明な部分が多く残されていた。そこでリンパ管内皮形成における役割について解析を試みた。リンパ管内皮細胞にBMP-9を添加するとその細胞数が減少した。BMP-9によりリンパ管内皮の機能維持に必須な転写因子Prox1の発現が低下していた。個体レベルの解析では発生期におけるBMP-9およびALK-1欠損マウスのリンパ管は共に拡張していた。さらにBMP-9を高発現するがん細胞の皮下移植実験では、腫瘍内におけるリンパ管の数は減少した。以上から、培養細胞ならびに個体レベルでもBMP-9がリンパ管形成を抑制することが示唆された。

 (2)動脈血管と静脈血管は並走する分岐パターンを示すことが認知されており、この並走性が様々な生理機能に貢献すると考えられている。しかしながら、動脈と静脈がどのように並走性を獲得するかは明確になっていない。我々は動静脈にそれぞれ特異的に発現している分子として、ApelinとAPJを同定した。Apelinはオーファン受容体であるAPJのリガンドとして発見された生理活性オリゴペプチドである。解析の結果、Apelin-APJ系が静脈の「血管移動」を誘導し、動静脈の並走性を制御している事が明らかとなった (Kidoya H. Developmental Cell. 2015)。これまで、動静脈間ではeprhinB2-EphB4系による「反発力」が存在することが知られていたが、それに加えてapelin/APJ系による「誘引力」が働くことで、整然とした血管構造が巧妙なバランスによって構築されることが明らかとなった。


> セミナー一覧

ページトップへ ↑