東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

セミナー

  
◇平成27年3月23日(月)加齢研セミナ-のご案内
日時: 平成27年3月23日(月)午後3時30分~5時20分
場所: 加齢研実験研究棟7階 セミナー室1
演題: 1.免疫監視と免疫逃避におけるポリオウイルスレセプターの役割
2.抑制性免疫受容体によるアレルギー炎症疾患の制御
講師: 1.渋谷 和子 先生
2.渋谷 彰 先生
所属: 1.筑波大学医学医療系 免疫制御医学研究室
2.筑波大学医学医療系 生命領域学際研究センター
担当: 高井 俊行(遺伝子導入研究分野・内線8501)
要旨: 1. がんの発症には、免疫監視と免疫逃避のバランスが重要であると考えられている。これまでに私達は、T細胞やNK細胞などの免疫細胞に発現する活性化受容体DNAM-1が、がん細胞に発現する膜型ポリオウイルスレセプター(poliovirus receptor: PVR)を認識して発がんに対する「免疫監視」を行っていることを明らかにした。一方、PVRにはバリアントの可溶型も存在する。可溶型PVRの発現量を比較検討した結果、がん組織では正常組織よりもその発現が高くなっていた。また、がん患者の血清中の可溶型PVRは、健常人に比較して高値であることが観察された。さらに、マウスモデルにおいても可溶型PVR産生がん細胞株は拒絶されにくいという結果を得た。これらのことより、がん細胞が分泌する可溶型PVRが、免疫細胞上のDNAM-1とがん細胞上に発現する膜型PVRの結合を阻害して、腫瘍の「免疫逃避」に関与している可能性が考えられた。本講演では、免疫監視と免疫逃避におけるポリオウイルスレセプターの役割を紹介し、これを分子標的とした新しいがんの治療法について考察する。
2.アレルギーの発症は,抗原(アレルゲン)の感作から始まり,多様で複雑な免疫応答ネットワークを経て,最終的には,生成された抗原特異的なIgE抗体と抗原との免疫複合体が肥満細胞上に発現する高親和性IgE受容体(FcεRI)を架橋することによって,肥満細胞からの脱顆粒が誘導され, 引き起こされる.一方で, 肥満細胞はToll様受容体なども発現し, 病原体を直接認識し, 炎症性サイトカインやケモカインを分泌することで, 炎症反応の始動においても重要な役割を担っている。  一般に、多くの免疫細胞は細胞質内領域にimmunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif (ITIM)と呼ぶモチーフを有する抑制性免疫受容体を発現する。抑制性免疫受容体は、抗原や病原体の認識による免疫細胞の活性化を負に制御し、自己寛容や生体のホメオスターシスの維持に働いている。本講演では、我々が同定したアレルゲンや病原体による肥満細胞の活性化を制御する抑制性免疫受容体Allergin-1 やMAIR-Iに関する研究成果を紹介し、これらを基盤としたアレルギーや炎症に対する分子標的療法の可能性について考察する。

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