東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

セミナー

  
◇平成27年3月5日(木)加齢研セミナ-のご案内
日時: 平成27年3月5日(木)午後6時〜
場所: 加齢研スマートエイジング棟4階セミナー室
演題: 1.寿命遺伝子からみる老化脳可塑性
2.脳の加齢と海馬神経新生機能について
講師: 1.森 望教授
2.石内勝吾教授
所属: 1.長崎大学医学部神経形態学
2.琉球大学大学院医学研究科脳神経外科
担当: 瀧 靖之(機能画像医学研究分野・内線8559)
要旨: 1. この20年ほどの間に、われわれ人間を含めて、動物の寿命というものがある種の遺伝子によって制御されていることが明らかになってきた。いわゆる「寿命遺伝子」である。インスリン様成長因子IGF1のシグナル経路は動物の寿命制御の中核をなす。また、mTORのようなリン酸化複合体も寿命制御に重要な役割を担う。同様に、Shc系のチロシンリン酸化シグナルアダプターはストレス時に活性化されて、これら寿命制御シグナル系に影響を与えることがわかってきた。我々は、脳神経系での発現の強いShcBおよびShcC分子の機能性に着目し、神経老化や寿命制御への関わりについて研究を進めた。その結果、ShcBやShcCは脳内での発現分布が異なり、ShcBは少なくとも小脳で、ShcCは海馬で特異な機能を担うことが明らかとなった。いずれも、長期増強(LTP)あるいは長期抑圧(LTD)とよばれる神経可塑性に影響する。その結果、小脳依存性の運動協調性や海馬依存性の学習記憶能力に影響を与えることがわかってきた。ここでは、老化遺伝子、寿命遺伝子全般を総括しながら、その中でShc系のリン酸化チロシンシグナルアダプターの神経可塑性制御への役割から、脳の老化への関与を考えてみる。
2.海馬・歯状回に存在する神経幹細胞は、認知・記憶・学習などヒトの脳機能に重要な役割を果たしている。この神経幹細胞の加齢に伴う機能異常は様々な脳疾患を引き起こすことが知られている。脳の老化とは神経新生能の低下であるともいえる。我々は、高解像度3T Discovery (GE health Care)を用いて、非侵襲的に海馬の神経新生機能の解析を行うためにfMRIによるnew, lure,sameの物品の識別タスク解析を行った。その結果、海馬・歯状回はpattern separation(差異の識別),CA1ではpattern completion(形状の認知)に機能分化がなされている事を確認しlure 識別能が神経新生のバイオマーカーとなることを見いだした。老化とは加齢による神経新生能の低下であるという仮説に立ち, 一生涯に渡りみずみずしい脳を手に入れるための我々の取り組みを紹介したい。

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