東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

セミナー

  
◇平成26年8月21日(木)加齢研セミナ-のご案内
日時: 平成26年8月21日(木)
第一部:15時30分~16時15分 第二部:16時25分~17時10分
場所: 加齢研実験研究棟7階 セミナー室1
演題: 第一部:原爆被爆者の疫学調査のまとめ
第二部:放射線発がんは誘発か前倒しか?
講師: 中村 典
所属: (公財)放射線影響研究所
担当: 福本 学 (病態臓器構築研究分野 )
連絡先:鈴木正敏  内線 8509
要旨: 1)原爆被爆者の疫学追跡調査は、12万人を対象とした死亡原因に関する調査と、2万人を対象とした臨床調査が主たる柱である。被ばく後5年以内に白血病(特に小児)の増加が確認されたが、固形がんの増加がはっきりするまでには30年くらいかかった。放射線リスクは被ばく群と対照群のがん死亡(罹患)率の比較から、過剰相対リスク(比)と過剰絶対リスク(差)で表される。しかし被ばく時年齢や性別によっても影響を受けるので、大変分かりにくい。要約すると、全体として1Gyの放射線被ばくにより発がん相対リスクが1.5倍に増えると言える。小児期の被ばくが最もリスクが高いが、その多くは若年発症のリスクがあるため。胎児被ばくの場合のリスクは小児被ばくと同程度と推測されている。遺伝への影響は調べられた限り認められていない。
2)放射線発がんの機構については、多くの人が「誘発」と思っている。しかし原爆被爆者の疫学データをシンプルに説明できる生物学的モデルは提唱されていない。リスクの概念には相対リスクと絶対リスクがあり、そしてこれらのリスクは被ばく時の年齢だけでなく性別によっても異なっているので、これらを網羅的に説明するのは至難の業に思われる。しかしマウスのデータなどから、個人的には放射線による発がんリスクの増大は、がん誘発ではなく発がん過程の加速(早期化)によると考えおり、そう考えると厄介に思える諸問題も容易に説明ができる。

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