東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

セミナー

  
◇平成25年3月15日(金)研究員会主催仲村春和教授退職記念講演のご案内
日時: 平成25年3月15日(金)17時~
場所: 加齢研SA棟 国際会議室
演題: 運をつかもう
講師: 仲村 春和
所属: 加齢医学研究所 分子神経研究分野
担当: 渡邉 裕二 内線8553
要旨: 研究者が、研究を進めていく過程で、うまくいかないことが非常に多いですが、もし気がついていたら幸運になっていたであろう出来事が数多くあります。目の前に転がってきた出来事をつかみそれを展開していくことが成功への道でもあると思います。
 私の師匠のNicole Le Douarinは1960年代にニワトリ胚の肝臓の発生を上皮-間葉相互作用の観点から行っていましたが、たまたまウズラの組織を見たときに核小体の形が違うことを見つけました。彼女は何が違うかを徹底的に調べ、ウズラではヘテロクロマチンが核小体に連続して凝集しているが、ニワトリでは核内に散在していることを突き止めました。そこで彼女は動く細胞の研究に移り、神経堤細胞と血球系の移動分化の研究に大きな貢献をしました。
 胸腺の中には筋様細胞という横紋筋があり、ニワトリ・ウズラキメラによりその起源の研究をしていました。その過程で咽頭派生体への神経堤細胞の関与についても目を向けていたら、という後悔があります。しかし、シンポジウムで、顔面・頸部、咽頭派生体への神経堤細胞の移動を自分のデータとして示すことができたことから、京都賞を受賞したKnudsonらと神経堤細胞の癌について考える機会を得て、後々の大きな財産となりました。
 フランスから帰国後、京都府立医大の藤澤先生と網膜視蓋投射の研究(視蓋の前後軸形成と関連させて)を共同で行っていました。1990年頃に、視蓋原基を回転してもホストの制御を受け、その後の発生はホストと同様に進行するという結果を得ていました。そこで、その制御に関わる分子が何かを考えているときに、Kornbergのところから、Engrailedの論文が発表されました。すぐに彼に手紙を書き、ハイブリドーマを頂いてその後の研究を大きく発展させることができました。
 ニワトリ胚での遺伝子操作を行いたく、リポフェクション法、ウイルス法などいろいろ試行錯誤を繰り返していましたが、1996年にエレクトロポレーションで遺伝子の導入ができることが示されたときは、これだと思い飛びつきました。その後、これが発生学研究のルーチンの手法になったことはご存じだと思います。

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