東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

セミナー

  
◇平成25年3月8日(金)研究員会主催田村眞理教授退職記念講演のご案内
日時: 平成25年3月8日(金)16時~
場所: 加齢研SA棟 国際会議室
演題: プロテインホスファターゼ2Cによる細胞機能の制御
講師: 田村 眞理
所属: 加齢医学研究所 遺伝子情報研究分野
連絡先: 佐藤由紀 内線8474
要旨: PP2Cはタンパク質Ser/Thrホスファターゼファミリーの一つであり、ヒト細胞には17種類のPP2C遺伝子が存在することが知られている。他のファミリー(PP1、PP2A及びPP2B)が分子進化上同じ起源に由来するのに対し、PP2Cの起源はそれとは異なることが一つの特徴である。また、他のファミリーが調節サブユニットと活性サブユニットから構成されるオリゴマーであるのに対し、PP2Cはモノマー酵素で、分子量が比較的大きいという特徴がある。これらのことから、1)PP2Cはファミリーとしてユニークな細胞内機能を持つこと、2)個々のPP2Cファミリーメンバーが活性ドメインに加えて様々な調節ドメインをも内蔵していることが予想された。我々はこれらの点を含めて、PP2Cファミリーの生理的な役割の解明を進めてきた。今日まで、4つの新規のファミリーメンバーのcDNAをクローニングし、それらを中心に機能解析を行った結果、PP2Calfa、PP2Cbeta、PP2Cepsilon及びPP2Cetaが、ストレス応答性プロテインキナーゼ (SAPK) シグナル伝達経路の抑制因子としての役割を担うことを見出した。SAPKシステムは、細胞のストレス応答や炎症反応を惹起するシグナル伝達経路であり、複数のPP2Cメンバーがその制御に関わることは、PP2Cファミリーが細胞の危機管理を担うことを示唆していると考えられる。また、PP2Cεが固有の疎水性領域を介して小胞体膜に局在すること、さらには、PP2CzetaがSAPKによりリン酸化され不活性化されることなどを見出した。これらの成果は、PP2Cが活性ドメインに加えて、多様な調節ドメインをも内蔵するとの先の仮説を支持するものである。本講演ではこれらの成果に加えて、PP2Cepsilonの小胞体における新規の機能など、最近の研究成果についても紹介したい。

> セミナー一覧

ページトップへ ↑