東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

セミナー

  
◇平成24年10月19日(金)加齢研セミナ-のご案内
日時: 平成24年10月19日(金)16時〜
場所: 加齢研SA棟 国際会議室
演題: 異種細胞間接着機構とその病態
講師: 高井 義美
所属: 神戸大学大学院 医学研究科 分子細胞生物学分野
担当: 田村 眞理(所属 伝子情報研究分野 ・内線 8471 )
要旨: 発生過程の形態形成では、異なるタイプの様々な細胞が互いに適切な相手を認識して選択的に接着、移動、集合して組織構築を行う。形態形成過程は個々の細胞の動きに依存しているが、これらを制御する分子・細胞レベルでの機構はほとんどわかっていない。これまで、異なる細胞間の選別には接着分子カドヘリンの特異的なホモフィリック結合が重要な役割を果たすことが示されている。しかし異なるタイプの細胞の間での細胞間接着や、感覚器官に見られる異なる細胞がモザイク状に並ぶ細胞配列の形成は、カドヘリンの機能だけでは説明が出来ない点も残されている。細胞間接着には、カドヘリンの他にネクチン-アファディン系が関与している。 Igスーパーファミリーに属する接着分子ネクチンは4つのメンバーからなり、ネクチンの細胞内領域に結合するアファディンを介してアクチン細胞骨格系と連結し、カドヘリン-カテニン複合体と相互作用しながら細胞間接着の形成を促進する。ネクチンはそのメンバー間でホモフィリックにもヘテロフィリックにも結合できるが、ヘテロフィリック結合がホモフィリック結合より強い。これまでの研究で精子細胞とセルトリ細胞の間、神経軸索と底板細胞の間などの異種細胞間接着ではカドヘリンは関与しておらず、ネクチンが重要な役割を果たすことが明らかにされている。最近、私どもは異なるネクチンを発現する2種類の細胞がヘテロフィリックな相互作用によってモザイク様の細胞選別を生じさせることを明らかにした。また、内耳の感覚器官におけるモザイク状の細胞パターンの形成にもネクチンが必要だった。これらの結果、ネクチンは異種細胞間の接着形成と細胞パターン形成に重要な役割を持つことが明らかになった。また、異種細胞間接着が、がんやアルツハイマー等の種々の疾患の病態と密接に関連していることが明らかになりつつある。本シンポジウムでは異種細胞間接着機構とその病態についての私共の知見を紹介して議論したい。

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