東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

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脳機能開発研究分野博士課程4年王凱君が第17回日本ヒト脳機能マッピング学会奨励賞を受賞

2015年7月2日から3日にかけて大阪で行われた第17回日本ヒト脳機能マッピング学会において、脳機能開発研究分野博士課程4年王凱君が若手研究者(35歳以下)を対象とした奨励賞を受賞しました。受賞テーマは「ピッチ認識を支える脳内神経基盤の解明」です。

ピッチ処理は、大脳半球の左右どちらで優位であるか明らかではありません。受賞研究では、ピッチ処理に関わる聴覚誘発反応N100を脳磁図により計測しました。はじめに心理実験として健康な右利き日本語母語話者169名を対象とし、ミッシングファンダメンタルの音を聞かせピッチ認識ができているかを評価しました。ピッチ認識可群とハーモニクス認識可群として各9名の被験者を抜粋しました。脳磁図計測において刺激音は、心理実験の結果、弁別が最も良い組み合わせである931Hz, 798Hz, 665Hzの混合音を用いました。ピッチ認識可群は左半球のN100信号強度33.21±12.73 nAm(平均±標準偏差)、右半球N100の活動強度64.80±23.70 nAmと統計的に有意に右が大きく(F1,17 = 40.96, P < 0.0001)、一方、ハーモニクス認識可群は右半球N100の活動強度32.43±7.50 nA、左半球48.83±8.76 nAmと左が大きかったです(F1,17 = 11.89, P < 0.005)。群間比較として左半球では、ピッチ認識可群よりハーモニクス認識可群大きく(F1,17 = 4.37, P < 0.05)、一方、右半球では、ピッチ認識可群が大きかったです(F1,17 = 21.47, P < 0.0001)。群内と群間の交互作用の結果は、二つの群のタイプと左右半球の活動強度の交互作用に有意差を示しました(F1,17 = 48.50, P < 0.0001)。過去の研究より、音の複雑な変化を分析するのは左半球優位であり、音の周波数成分の分析に対するのは右半球優位であると言われています。ピッチ認識可群は、ミッシングファンダメンタルの音の中に存在しないピッチの周波数を計算してピッチを認知し、ハーモニクス認識可群は、周波数成分を音色としてそのまま認識するといった認知過程の違いを示しました。

問い合わせ先
菅野 彰剛(かんの あきたけ)
脳機能開発研究分野 助教
〒980-8575 仙台市青葉区星陵町4-1
TEL:022-717-7988
E-mail:akitake.kanno.c8*tohoku.ac.jp(*を@に換えて下さい)
 

2015年07月10日 掲載