東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

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加齢研にニューロ・イメージング研究(住友電工)寄附研究部門が誕生しました。

老年医学分野(旧老年病態学分野)から枝分かれした寄付講座(部門)として、先進漢方治療医学講座(医学系研究科)、先進感染症予防学講座(医学系研究科)、高齢者薬物治療開発寄付研究部門(加齢医学研究所)を開設してきましたが、この度2014年5月1日付で第4番目となるニューロ・イメージング研究(住友電工)寄附研究部門(工藤幸司教授、岡村信行准教授)が加齢医学研究所所属の寄付部門となりました。
 工藤研究室は2003年東北大学先進医工学研究機構の中に設置されて以来、未来医工学研究機構、臨床研究推進センターに引き継がれ、一貫してコンフォメーション病、中でもアルツハイマー病(AD)診断用プローブ(低分子有機化合物)の開発に特化して研究を続けてきました。ADの脳内病理像として有名な老人斑および神経原線維変化のそれぞれ主要構成成分であるアミロイドβ蛋白およびタウ蛋白をヒトの生体でイメージングできる技術が開発されつつあります。特にタウイメージングに関しては、我々のチームは独自のスクリーニング法を導入して、多くの化合物群の中から[18F]THK-5105および[18F]THK-5117と呼ばれる優れたタウイメージング用PETプローブを見いだしました。[18F]THKプローブは2012および2013年、共同研究先のオーストラリアメルボルン大学および東北大学サイクロトロンRIセンターにおいて、それぞれヒトで探索的臨床研究が実施されました。
 共同研究者の荒井啓行(東北大学 加齢学研究所 老年医学分野)教授らは [18F]THKプローブを用いて脳内タウの挙動と発症前ADとの関係を解明するための研究を2014年4月から開始しました。この研究によってタウ蛋白をターゲットとした新規AD治療薬への道が開け、今後の成果が待たれるところです。なお、タウイメージングプローブについては、工藤教授らが設立した学内ベンチャー「クリノ株式会社」を介して、米国General Electronics社などとの共同研究が進められています。さらに、工藤研究室では「簡便・廉価・迅速」なAD診断を可能にすると考えられている光イメージング用プローブ、さらに新たな研究課題としてα-シヌクレインおよびTDP-43を認識するプローブについても探索的研究を進めています。


2014年06月04日 掲載