東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

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加齢研共同研究で大きな成果

加齢医学研究所は、文部科学省から「加齢医学研究拠点」として認定され、平成22年4月より、研究者コミュニティに開かれた研究所として、加齢研共同利用・共同研究を幅広く実施しています。

加齢ゲノム制御プロテオーム寄附研究部門の安井明教授と菅野新一郎講師は、大阪大学大学院生命機能研究科の田中亀代次教授の単離した紫外線過敏症の原因遺伝子の機能解明を目指して、加齢研共同研究の課題として田中教授と共同研究を行いました。UV sensitive syndrome A (UVSSA)と名付けられたこの遺伝病は日本人で見つけられ太陽光に当たった皮膚が異常に発疹する疾患ですが、同時に紫外線により細胞死が起き易いことから、紫外線で生じるDNAの傷が直せないのではないかと疑われていました。

田中教授の研究室では、この患者由来の細胞にマウス由来の染色体を導入して紫外線感受性を相補する遺伝子を同定しました。この遺伝子の作る蛋白質 UVSSA の機能を知る為に、その蛋白質が細胞の中でどのような他の蛋白質と結合しているかを、加齢研のプロテオミクス(蛋白質複合体解析法)の技術を使って同定したところ、UVSSAは、蛋白を修飾する機能を持つUSP7という名の蛋白質と結合し、DNAの傷を直す蛋白質を安定に保つ機能のある事が明らかになりました。

こうして、日光過敏症UVSSAの原因遺伝子の同定、その機能と疾患の原因の解明がなされました。この発見はこの遺伝病の原因の理解につながるのみならず老化や発癌の元になる紫外線によるDNA損傷を修復する仕組みの理解につながる研究です。今後も、当研究所は「加齢医学研究拠点」として全国共同利用・共同研究の実を挙げることにより、加齢医学研究の進歩と国民の健康に貢献して行きます。

<論文題目>
Mutations in UVSSA cause UV-sensitive syndrome and destabilize ERCC6 in transcription-coupled DNA repair. X Zhang, K Horibata, M Saijo, C Ishigami, A Ukai, S Kanno, H Tahara, EG Neilan, M Honma, T Nohmi, A Yasui and K Tanaka. Nature Genetics doi:10.1038/ng.2228


2012年4月10日 掲載
 

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