東北大学加齢医学研究所 加齢医学研究拠点 | Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University

スマート・エイジング出前カレッジ

全日程終了のごあいさつ

出前カレッジ「愉しいエイジング」を終えるにあたり

このたび2014年10月18日の気仙沼会場での講演をもちまして,一昨年7月1日から計36回に亘り開催して参りました出前カレッジを無事,終了致しました。お世話になりました全てのご関係の皆さま,ご来聴下さった皆さまにこの場をお借りして心よりお礼申し上げます。

 私たち加齢医学研究所は,3年前の大震災の後,宮城県などの沿岸地域を中心とした甚大被災地の住民の皆さまに何かご支援できることはないのかを検討し,『いつまでも活き活きと充実した健康生活を送り愉しく歳をとるためのノウハウを提供し,健康科学にいっそう興味を持って頂き,知的な好奇心を活発にすることで前向きな生活を送る手助けをする』ことをコンセプトに本事業をスタート致しました。私たちからの突然の打診にもかかわらず,幸いにも亘理町,石巻市,気仙沼市の生涯学習課,公民館のご担当の方々から開催を是非お願いしたいと要望されました。

 この出前カレッジでは東北大学サイエンス・カフェの形式で,自由で双方向性のコミュニケーションを目指し,お茶とお菓子をご提供し気楽に聴きに来ることができる雰囲気作りを行いました。幸い3年間でのべ2174名もの多数のご来聴の皆さまに恵まれた上,毎回熱心に聴講下さり,また活発に質問して頂き,各回いずれも和やかで愉しい授業になったと思います。

 有り難いことに下記の来聴者からのご感想のところにありますように『いつまでも継続して欲しい』というお声をとても多く頂きましたが,今回,惜しまれながらも当初計画どおりこの事業としての展開を終えます。今後は加齢医学研究所としてまた新たなご支援のあり方を考えて行ければと思います。

 各会場で最終回に撮影させて頂いた,講師の先生を囲んでの集合写真,3年間全9回皆勤賞の皆さまの表彰の様子,初年度の出前カレッジ終了後に講師,ボランティアスタッフが集まって慰労会を開催したときのスナップなどを掲載しました。会場の雰囲気や私たちの思いを感じ取って頂ければ幸いです。皆さま,ありがとうございました。(世話係:髙井俊行)

講師氏名(五十音順)
阿部恒之,大類 孝,川島隆太,佐藤靖史,筒井健一郎,福田 寛,星川 康,堀内久徳,村井ユリ子

私は「心筋梗塞・脳梗塞の予防」に関しまして、2012年には亘理で、2013年には石巻で、2014年には気仙沼で講演をさせていただきました。講演前後には街を散策して震災の爪痕に接し、災害の甚大さに打ちのめされました。一日も早い復旧・復興を願ってやみません。さて、講義は心筋梗塞・脳梗塞発症のメカニズムを前半でお話ししましたが、少し難解だったかも知れないと考えながら、医学部の学生に講義するような内容を入れさせていただきました。後半では、治療法や、日々の予防法をお話ししました。簡単に言えば、「お酒は少しくらい良いけれど、たばこはダメで、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症に気をつけることが、日々の心筋梗塞・脳梗塞の予防法」です。活発なご質疑や討論をありがとうございました。最後になりましたが、みなさまのご健康をお祈り申し上げます。(講師:堀内久徳)

ボランティアスタッフ氏名(五十音順)
合原生恵,安達恭子,阿部 傳,乾 匡範,今川美果,遠藤章太,葛西 航,苅谷泰子,北口公司,事崎由佳,小林美穂,齋藤秀子,佐竹正延,白川龍太郎,髙井俊行,高瀬和寛,田澤樹乃,時武裕子,飛内章子,中村孝子,平塚明子,平野紅美子,弘田紗瑛子,藤野屋友吏子,前田郁麻,松岡由美,松本寛毅,本野真由美

東北地方太平洋沖地震が発生した時、私は出張先の京都におり研究室の堀内教授と電話をしている最中だった。「白川くん、地震や・・」という教授の何気ない声のあとガタガタという音がしだいに大きくなっていき、「これ大きいでえ!」という声をかき消すようにガラスの割れる音や物が散乱する音が鳴り響いた。受話器の向こうでとてつもないことが起きていることがわかり、怖くなって電話を切ってしまった。二、三分後だろうか、京都でもゆらゆらとめまいのような揺れを感じた。その日の夜に仙台に帰る予定であったが、全てが変更になった。
 仙台に戻ることになったのは地震から一月以上経った四月半ばである。新幹線はまだ不通であったが空路は再開していた。仙台空港の到着ロビーは薄暗く仮設トイレのとなりには自家発電機が並んでいた。復旧が進んでいることを示すためか、小さな土産コーナーが一つだけあり胸が熱くなった。係員から手渡しで荷物を受け取り、雨に濡れながらバスに乗り込んだ。仙台東部道路から見える沿岸部の光景に目を凝らして仙台駅に向かった。
 出前カレッジには、地震のときに何もできなかった(仙台にいても何もできなかったでしょうが・・)という思いもありボランティアとして参加することにした。亘理、石巻、気仙沼の三会場に年に三回ほど通ったが、どの会場でも多くの人が熱心に聴講し、そして積極的に質問していることが印象的であった。また、地域の公民館のスタッフや地元のラジオ局の方などが元気に働いていることが頼もしく感じられた。普段は研究室にこもっていることが多いので、空き時間に会場の周りを散策することも新鮮であった。特に、気仙沼本吉町の丘の上から見下ろす美しい海と心地よい海風は強く心に残っている。
 ボランティア活動としては会場の設営や入場者へのお茶配りが主な仕事であったが、三年間、同じ場所に定期的に通うことによって地域の人たちとのつながりが少しずつ生まれていくことがうれしかった。特に三年目の最終回では予想以上に多くの方が講演後の記念撮影に参加してくれ、このまま終わってしまうことが名残惜しく感じられた。出前カレッジの三年間のプログラムは完了したが、今後もなんらかの形でこのような試みが続いていけばと思う。
 最後に髙井先生、中村さんをはじめとして、多くのボランティアスタッフ、講師の方々、そして会場に足を運んでくださった皆様に感謝いたします。ありがとうございました。(ボランティアスタッフ:白川龍太郎)
震災時に抱いた、「何かしたい」と言う気持ちを失くさずにいたいという思いから、出前カレッジに参加させていただきました。
初年度から、聴講する方々の学ぶ「意欲」に溢れる姿が心に強く残っています。ノートいっぱいにメモを取る真剣な姿勢、積極的な質問に、講師の先生方はギクリとしたこともあったのではないでしょうか(楽しく拝見させていただきました)。受付での挨拶、連れ立ってきた友達同士の仲の良いお喋り、集会所の方々との親しみのあるやり取りを見聞きするのはとても楽しく、家が建ったと聞いて嬉しくなったりもしました。仮設住宅の狭さなど生活を垣間見せてくれるお話しは、自分が今知っておかなければならないことのように思いました。「難しかった」「面白かった」と言う表情を見るのもまた、楽しみでした。運動会や学芸会で来られなかったことを残念そうに、言い訳するように(笑)お話ししてくださると、出前カレッジを毎回とても楽しみになさっていることが伝わってきました。皆さまとのふれあいの楽しさが、忘れられません。
最終回は、お見送りの際「また来年も」ではなく「気を付けて冬を過ごしてください」としか言えないことが、とても寂しく感じました。
年を重ねることに対して、アンチ(抗う)ではなくスマート(今を高める)でいることを学ぶ姿から、多くのことを教えていただきました。感想カードに「さびしい」「感謝」の文字が見えた時、思わず涙が出そうになりました。自分にとっても意欲が行動を通じて達成感になり、皆さまとの「共感」を獲られたのかなあと思いました。  
高井先生はじめ中村さん、講師の先生方、スタッフの方々に心から感謝いたします。また気仙沼、石巻、亘理の皆さまのご健康を心から願っております。いつか出前カレッジが復活した際は、またお手伝いさせていただきたいと思います。(ボランティアスタッフ:藤野屋友吏子)

来聴者からの感想など(アンケートからの抜粋)

  • このようなプラスになる勉強会をたびたび開いて欲しい。次回もまた来たいし、仲間にも勉強した事を教えてあげたいし、誘って一緒に来たいと思っています。
  • 今後も私ども、仮設住宅、住民に刺激を与え続けていただきたい。陸の孤島と言われ続けた気仙沼、震災で完全に孤立してしまいました。この閉塞感を少しでも軽減して頂けるよう情報を提供して欲しいです。
  • 大変ありがたいです。カフェということで毎回お菓子まで頂き気軽な感じで大学の先生方のお話を伺えてとても幸せな時間を過ごさせていただきました。おしつけでないこのやり方はとても素敵です。また来年もよろしくお願いします。
  • 近場でレベルの高いお話をきけるなんてなんとラッキーなことでしょう!また来年も楽しみにしております。難しい内容で疲れると思っていましたが日常生活に思った以上に役立つ内容でした。
  • 宮城県内の大学の支援が一番地元の事を考えていただき地元に負担をかけない形で支援していただいていると思います。ありがとうございます。
  • 家にこもりっきりだったのが目標が出来て少し楽しくなりました。外へ出る勇気が出て少しずつ前向きです。
  • 今年初めて参加させて頂きました。このようなすばらしい機会を与えて下さり,感謝致します。気仙沼はやはり僻地のため,お話,講演etc.なかなかチャンスは少ないです。今後も是非何かのチャンスを与えて下さいますようにお願い致します。「もっと学びたーい!」ありがとうございました。
  • 震災後なかなか外出する事が遠のいてしまった時に「出前カレッジ」が大谷公民館で行われる事を聞き,思い切って外出してみる事にしました。先生方の講演に参加してみると次回も行ってお話を聞きたいという気持ちになり,毎年の3回が楽しみになり,それを機にいろいろな「会」に参加するようになりました。本当にありがとうございました。
  • 来年も出前カレッジがあれば良いと思います。私は3年休まないで来たけれど3年ともとても良くためになりました。いきがいを感じました。

各会場,最終回の様子
石巻会場:2014年9月27日(講師,筒井先生を囲んで)
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亘理会場:2014年10月4日(講師,大類先生を囲んで)
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気仙沼会場:2014年10月18日(講師,阿部先生を囲んで)
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2012年11月 出前カレッジ慰労会(仙台市青葉区一番町にて)
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