加齢研ニュース 第43号

           (平成17年6月1日)

所長室便り
分野紹介
随想
研究員会便り
研究会同総会広報
編集後記


「所長室便り」 帯刀 益夫

 「国立大学法人東北大学」となって1年を経過した。準備期間を含めて,新しい制度設計を立て,変化に対応した運営に移行するため,多大の労力をかけたわけであるが,多くの積み残しの課題を抱えてはいるものの,何とか対応ができたという感じである。昨年から始まった役員会を中心とする運営方式は,従来の評議会を決定機関とする方式と異なり本部の意志決定が迅速になる一方,研究,財務,人事,総務など担当理事の所掌事項が分割されているため,最終的な決定事項の責任の所在が不明確であったり,事務系との連携が不十分になったため情報の伝達が遅れたりするなど,部局としては困ることも多かったと思われる。また,これまでは各種委員会での審議を経て最終決定が行われていたが,これもほとんどなくなったため,途中の審議過程も明らかではないまま最終決定が伝達されるため,決定内容を十分把握できなかったりして,本部と各部局との意志の疎通が十分ではなく,不満が残ることも多かった。とはいえ,この1年間は法人化の体制作りの準備期間とも考えられ,管理運営について試行錯誤を行いながら新しい体制に辿り着いてきているというのが現状であるといえる。
 4月の部局長連絡会議で,法人化後1年間の東北大学の運営について監事の報告が行われたが,それに依れば,東北大学の理念などについてももっと明確にすること,中央の意志決定のあり方など,まだまだ解決すべき点が多いという評価であった。17年4月1日に開催された研究教育評議会で,「役員会」の構成メンバーの理事のうち,総務,人事,研究を担当する理事が交代し,新しい布陣となった。また,新たに部局長でない副学長を置き,いくつかの課題に対して対応する体制が整ってきたが,こうした担当理事の交代により,安定的あるいは恒常的な運営には未だ時間が掛かりそうである。
 昨年度中に審議された大きな課題の一つとして,東北大学の総長の選考方法がある。総長の選考方法は,外部委員を含む経営協議会と研究教育評議会,役員会の委員から構成される総長選考会議が,東北大学の総長選考方式を検討してきたが,最終決定として公表した選考方式(東北大学ホームページに公開されている)は,他大学のように構成員の投票を盛り込まない形で総長選考会議が最終決定を行うという独自の方式である。これについては学内外で異論も出ているが,決定までの具体的な方式については今後も継続した審議が行われる予定である。
 法人化に伴って,各大学法人は渡しきりの運営費交付金(平成15年度での定員などを基準として算定された人件費と物件費)をもとに経営してゆく形となり,東北大学では,全体の定員枠から5% を中央枠に吸い上げることとした上で,これまでの各部局の「定員」を「配置職員数」として定め,この「配置職員数」を基盤として算定された「人件費総額」の範囲内で運用することになった。このような運営方式に従って,加齢研は16年度から新たに加わった附属ゲノムリサーチセンターを含め49名を中期計画年度中(6年間)の「配置職員数」としてスタートした。このような方式では,各部局が欠員のあるところ,過剰になるところなど,でこぼこはあったが,結果として16年度については,大学全体としては,人件費総額で余剰金を残す形となった。法人化後は,各大学法人に対して効率化係数が掛けられることになり,中期計画年度内に毎年1% 経費(人件費,物件費ともに)の削減を課せられることとなっている。1% の削減は見かけ上大したことがないように思われるが,現実的な対応を考えると実は大変深刻な課題である。早速,17年度からはこれを減じた運営費交付金が交付されたわけであるが,この減額分をどう対応するか16年度中に何度か議論がなされてきたが,17年度に限っては,16年度の剰余金を回すことで対応するということになり,当面の大きな変更はなく解決は図られた。しかし,18年度以降の中長期的な計画は未だ立っておらず,このような状態では,各部局の将来構想など明確な方針が決められないことになり,マイナスが大きく,急ぎ18年度以降についての計画を立ててほしいところであるが,人事,財務について理事の交代があったため,基本的な点も練り直しの部分もあり,結論が出されるにはおそらく今年の秋口ぐらいまでかかるのではないだろうか。
 平成19年度からは,助教授は準教授,助手は助教(従来の助手的役割)と助手(補助的な役割)に分かれるなど教員制度も変わることになっており,これに対する対応や,給与関係,定年制度など,今後の財務戦略会議,人事戦略会議において,効率化係数を考慮に入れた新しい人事制度の基本的設計を検討する必要に迫られている。
 法人化後は,中期計画に対応した大学の評価によってそれ以後の運営費交付金などが査定されることになる。この評価については,本部の評価関連の委員会で大筋の方針がまとまった。これら評価に対しては,教員個人個人の教育,研究,管理運営をはじめとするさまざまな活動のデータをデータベース化し,これを元に,大学全体,各部局,個人の評価を行うこととなっている。そのために,大学全体のデータベースに各人が情報をインプットする事が必要である。他部局は既にこうしたデータ入力が進んでいるが,星陵地区は病院を中心として作製したデータ管理システム(イースト)と全学データベースをぎ,これに入力する形を進めており,加齢研もこれに加わることとなっているが,この立ち上げが遅れている。出来次第入力をお願いすることになるので,そのときは協力をお願いしたい。本部では,大学全体の評価への対応と共に,8月頃から,これらデータベースから抽出した各部局の活動を総合して把握し,ヒアリング等により部局評価を行って,必要に応じて改善策を提示するとしている。また,今後は,これら個人の活動データにもとずいて個人評価を行い,その結果を給与や昇進などに反映してゆくこととしており,今後加齢研としても,これに対応したシステムを作っていかなければならない。
 加齢研では,15年度から法人化後の組織運営体制を試行的に始めていたので,所長,副所長を中心とする執行機関としての運営会議,総務・人事,財務,研究推進,将来計画の4つの常置委員会とともに新しい運営体制への移行はスムースに行われたと思われる。この間,これら委員会で,法人化後の新しい課題について多くの時間を費やして審議していただき,ある程度システムが出来上がってきたといえる。この4月からは,常置委員長などが交代したが,継続性が維持できるような委員構成としたので,スムースな運営が期待できるものと思っている。
 法人化により,大学はこれまで以上に社会に開かれた大学として広報活動などを通じて情報を発信してゆく必要が高まっている。加齢研では,これに対応して情報関係を強化し,ホームページの大幅な刷新を行なった。また,民放テレビの科学番組作製にも協力し,加齢研の活動や研究内容をもとにした番組を2回にわたって放映しているし,昨年の片平祭りとして研究所公開なども行ったので,市民からの理解も高まってきている。さらに,これまで冊子として用意していた「研究所概要」も内容を一新し,映像を重視したCDを作製して提供できるようになっている。本部でもこうした広報活動の重要性が指摘されてきたが,加齢研としては関係者のご努力でかなり進んだ対応となっているといってよい。
 加齢研は平成5年に改組して以来すでに10年間以上経過したが,21世紀において世界一の長寿国となった日本においては,この高齢化社会に対応して,「難治療癌」,「痴呆等の脳・神経疾患」,「老化」など,「健康寿命の延長を目指した加齢医学研究」が生命医学研究としてより重要となっている。今後の医療に対する社会的要請の変化に対応し,新しい研究領域を成してゆくことも重要な課題となっているので,将来計画委員会等の議論を経て,ポストゲノム時代に相応しい「バイオインフォマティクス研究」と,「脳科学研究」を推進することを今後の課題として進めてゆくことにしている。このような折から,昨秋,総長からの指示もあり,「加齢医学研究所の将来を考える関係部局長連絡会」が開催され,加齢研のこうした方針を提示し,概ね支持を受けた。この際,東北大学のライフサイエンス研究の発展を考慮した医学,歯学,病院等を含めた星陵地区の組織再編の上から加齢研を軸とする新しい研究組織体制作りについても議論が行われたが,まだ結論を得る状況にはなっていない。いずれにしても,東北大学の将来計画の観点からは,とくに,医学系研究科と今後の方向性について議論を深めていく時期に来ていると思われる。加齢研では,バイオインフォマティクス研究の推進のために,加齢研シンポジウムでこの領域の研究者を集めたシンポジウムを開催し,また,この領域の優れた若手研究者を客員教授として招聘するなど積極的な対応を行っているし,ヒト脳のイメージングなどとバイオインフォーマテイックス研究を統合し,学外,学外の機関と連携して研究を行うための脳研究のセンターを平成18年度の概算要求として進めているところである。

「分野紹介」 遺伝子情報研究分野

 私どものラボは,教授の田村のもと,平成3年に立ち上がりました。当初は,前任の立木先生時代からの主要なテーマの一つであったプロティンホスファターゼから研究を開始しましたが,その後,徐々に,細胞のストレス応答や分化に関わる細胞内シグナル伝達の制御機構の解明に研究の重点を移してきております。具体的には,以下に記す3つのテーマに沿って研究を進めております。
(1) ストレス応答シグナル伝達路の制御機構
 ストレス応答伝達路(SAPKシステム)は,細胞のストレス応答,炎症性反応,免疫反応や細胞分化・初期発生に重要な役割を果たします。当研究室では同経路の制御因子としてのプロティンホスファターゼや足場タンパク質の作用機構の解明を通して,システム全体が時空間的にどのように制御されているかを生化学・細胞生物学・発生工学的手法を用いて研究を進めています。最近では,プロティンホスファターゼ2C型が,SAPKシステムの構成因子である,2つのプロティンキナーゼTAK1, ASK1の調節に重要な働きをすることを示してきました。
(2) マウス多能性P19細胞の分化誘導に関わるシグナル伝達路の解明
 マウス多能性P19胚性腫瘍細胞は発生初期の胚盤胞内部細胞塊に類似した性質を持ち,培養条件を変えることにより三胚葉のいずれにも分化誘導が可能な細胞です。私たちは,前述のストレス応答シグナル伝達路の細胞分化への関わりをP19細胞の分化誘導系を用いて解析しようとしています。現在は,SAPKシステムの主要な構成因子であるプロティンキナーゼTAK1の神経分化への役割を主要なテーマとして研究を行っています。
(3) 微小管高親和性プロティンホスファターゼの調節機構 微小管は細胞内の骨格構造を形成すると共に細胞内小器官や小胞の輸送など多様な機能と関わっており,その機能は微小管タンパクのリン酸化・脱リン酸化によって調節されています。平賀は,脱リン酸化に関わる主要な酵素であるプロティンホスファターゼ1型の制御因子の精製を進め,チュブリンとクラスリン軽鎖を同定しました。現在,これらのタンパクによる制御機構の生理的役割に重点を置いて研究を進めています。
 遺伝子情報分野は,現在,教授の田村,助教授の平賀,助手の小林の3人の教員と,学振特別研究員1名,大学院生8名,技術補佐員,秘書の総勢14名から構成されています。大学院生のほとんどは臨床の教室から派遣されており,田村が歯学研究科口腔腫瘍学の教授を兼務している関係で,最近では多くが歯学研究科からの配属となってきています。ほとんどの大学院生にとって,実験の作業ははじめての経験のようですが,日頃から歯科医師として複雑で細かい作業に携わっているせいか上達はとても速いように思います。また歯科臨床が出自のせいか,院生の興味も骨や歯の分化や炎症・免疫反応(歯周病に関係しています)などに向くようで,前述のテーマを基本としつつ,今後新しい展開が見られることを期待しています。
文責:小林 孝安

「随想」 生命科学って何? 佐竹 正延

 筆者はヒトの白血病細胞やホヤの免疫を対象に研究に励んでいる。ヒトとホヤと言えば,同じ脊索動物門に属するとはいえ,直観的にはかなり異なる種であろう。にも拘わらず非才の身が両方やっています,などと広言できるのはどうしたことであろう。そこでヒトの場合はキメラ遺伝子による血球がん化のメカニズムであり,ホヤの場合は免疫関連遺伝子の構造や発現に興味がある。と書けば読者にもお分かりであろう。実験手技,ひいてはその拠って立つ思考方法がヒトでもホヤでも同じなのである。従って筆者としてはヒトだから,或いはホヤだからといって特別な区別を立てる必要を感じない。しからば立脚しているその思考方法とは何かに思いを馳せると,どうも近年流行の「生命科学」なる概念に着するようである。つまり,ヒトとかホヤとかの分別は一まず置いておき,生命体に普遍に見られる原理や現象を遺伝子や細胞の言葉で解いていく方法である。万人向けとでも言おうか,理解が容易なDNAとか蛋白質とかの用語を使って記載する学問が生命科学である。そしてその結晶の如きものが,"The Cell” とか “Molecular Biology of The Gene” といった教科書であると思えばよい。こうした理由から研究の現場は滔々と生命科学へと向かっており,筆者などもその末流に浮かんで,生命科学の立場をとりさえすればヒトであれホヤであれ,何でも解明できそうな気になってしまう。
 以上のように,「生命科学」だけで話が全てすめば簡単なのだが,ここに困った事も出てくる。例えば “The Cell” などをパラパラめくっていると,さてこの記述はヒトのことなのかそれとも他の動物のことなのか,時にわからなくなる。生き物と言えば通常,私達は明瞭なイメージを抱いている。ヒトと言えば人間さまのことであるし,サンマと言えば食卓にのぼるオサカナさん,ミミズは地中を這う虫。各々が特有の格好・色彩を有し,名前を聞いただけでその生き物の姿をくっきりと眼に浮かべることができる。ところが “The Cell” なり「生命科学」は,そうした日常生活とは少し異なるのだ。何かまるで,ヒトにもサンマにもミミズにも何にでもあてはまる,しかしイメージを特定できない,1個・別種の「生命」なる生き物でも存在するかのような雰囲気なのである。
 さらに困る事は「生命科学」は何の為の学問 ? と聞かれると筆者にはうまく答えられないのである。その点は,古色蒼然たる学問区分の方が都合が良い。森羅万象の中に映る生き物の個性なり多様性のに挑む知的好奇心が「生物学」であろうし,人の病気を明確に診断し,適切に治療するのが「医学」であろう。この何の為 ? という疑問は,学問をする個人と学問の対象とがどういう関係にあるのかとも係わり合う。ホヤなりミミズが対象であればそれらは,観察者たる私にとっては何といっても客体であろう。他方,人の病気を考えると医師にとって患者さんは客体ではあるものの,ミミズと同様に純然たる客体かと問えば,決してそういう関係ではないであろう。患者さんから見れば患者さんが主体なのであるから。つまり主体と客体とが相互に作用する,それが人の「医学」であると思われる。しかるに「生命科学」は先に述べた様にヒトのことでもあり,ミミズのことでもある様な,ヌエみたいな「生命」が対象である。すると主体と客体の関係がやや不分明となり,よって何の目的で ? と問われると筆者は返答につまってしまう。
 研究は始めが肝心と言われる。「生命科学」で出発するのか,「生物学」や「医学」で出発するのか,終点に近づく老齢の筆者が今さら悩むことではないと言われればそれまでではあるが。

「研究員会便り」 研究員会委員長代行 井川 俊太郎

 安部まゆみ大委員長のご栄転のため,おはちが回ってきてしまった井川です。副委員長とは,定例委員会に出席するだけで,何もやらないで済んで,気楽だなと思っていたら,こういう時のためにあったのだな,と改めて感じてます。というくらいなので,研究委員会のことを,よく把握してません。まあ,それだけ現状を変えていくには,過去に捕らわれにくい点でよいかもしれません。率直に申し上げますと,私にとっては,会がどのようになっていこうが,メリットもデメリットもありません。会を生かすも殺すも,会費を払っている会員各々の意思次第です。みなさんの意志決定の参考のために,現状を吐露しますと,会員数の長期低落傾向で,財政が苦しくなっていく一方のようです。現在,変更可能な予算で,一番ウェイトを占めるのは,新入生歓迎会,スポーツ大会等,親睦のためのもの,セミナーの講師招聘代等,学問のためのものです。従って,会は,親睦と学問のためにあるということです。昨年からは,セミナーの申請件数が減少しているということで,講師招聘代(特に旅費,宿泊費)を捻出しにくい若い研究者を配慮して,従前の請求限度額2万円から5万円に引き上げました。これでは,謝金を5万円請求でき,昨年の改訂の理念に反するので,謝金は,2万円を上限にし,旅費,宿泊費の支援がない場合のみ支給できる制度に今回の総会で改訂する予定です。また,例外を適応可能とするために,定例委員会で審査し,承認が得られれば,例外を認める制度も導入するつもりです。次に,ご参考までに,私が若かったときに所属した会を二つ紹介したいと思います。迷って困ったときには原点に帰るのが一番だと,私は思っています。
 まず,東大医科研時代,私が大学院生だったころの組織です。医科研自治会と称し,会費を徴収しない大学院生によるボランティアな組織であった。研究所の組織であるから,学問の向上と,親睦を目的としている。学問に関しては大学院セミナー係,大学院実習係の二つが大きな柱であった。前者は,講義の単位ともなるもので,講師をこの係が選定するのである。もちろん,大学院生であるので限界があり,教官の方々の助言や講師との交渉をお願いする場合もあった。後者は,テクニックの習得を目指したもので,各研究室で教えられる実技を中心とした実習(1週間ぐらいのもので,シークエンス法,螢光抗体法,ウェスタン法,CAT assayなどがあった)を募り,受講する大学院生の割り振りの斡旋をする。大学院生に優先枠があったが,教官も受講でき,これは親睦を深めるのにも役だった。親睦に関しては,スポーツ係,コンパ係が二つの大きな柱であった。スポーツ係は,加齢研と似たようなもので,毎年,ソフトボール大会を開催するというものである。もちろん,会費はない以上商品などはなく,娯楽,親睦,名誉のために戦うのである。コンパ係は,毎年,新入生歓迎会と忘年会を医科研クラブなるボロボロの木造小屋でとりおこなうのである(現存するかは,不明。当時ボロボロの生協も現在では,白金会館(ハウスだったかな ?)なるすばらしい建物になっている)。この会は,コンパ係が教授,助教授を回ってお金の無心にいって成り立っている。出資しているので,教官もけっこう出席してくれるので,親睦には都合がよい。私はといえば,修士一年の時から,当時の会長井口早苗さん(現北大教授有賀さんの奥さん,自身も助教授)に「井川くーん,ごきげんよう。」などとだまされてコンパ係になった。黒木登志夫先生(現岐阜大学長)に「井川君は,お金を集めるときしか来ないねー。」などと,いわれながらもせっせと職務に励んだあげく,普通任期は二年なのに,「井川君は集金力があるから。」などといわれ,卒業するまで,5年間永世コンパ係をつとめることになった。加齢研研究員会と比べると,親睦の方はともかく,学問に関しては,会員の主体性があったことと学問と親睦がカップルしたものでものもあったことは,間違いない。
 もう一つは,私が留学していたときのグループである。私は,ボストンのMITのWhitehead Institute of Biomedical Researchに留学した。当時,そこには日本人留学生は少なく,野田哲生さん(現東北大教授,私にはTetsuoといった方が通りがよい)が音頭をとって,油谷浩幸さん(現東大先端研教授,私にはあぶちゃんといった方が通りがよい),と私を中心としたこぢんまりとした集まりを結成した。その後,会は成長し,小島先生(現名大教授),吉村昭彦先生(現九大教授),中釜斉先生(現癌センター部長),藤田尚志先生(現臨床研部長),芝清孝先生(現癌研部長),畠山昌則先生(現北大教授),森岡弘志先生(現北大助教授),前田達哉先生(現東大助教授),場篤先生(現神戸大教授),牛島俊和先生(現癌センター部長),川上浩一先生(現遺伝研助教授),八尾良司先生(現癌研)といった蒼々たるメンバーで現在40名ぐらいいて,毎年分子生物学会の時に集まります。こういうグループに育つこともあるのです。偉くならないのは私だけだな。しかし,今になって,私にとっても,メンバーにとっても,大事なつながりです。会は,月10$ 払って,ピザを食べながら,毎週土曜日に,メンバーの研究発表,批評,メンバー以外の周りのポスドクや日本からの訪問者などの発表を交互にやりました。こうやってメンバー以外の方々との交流も可能となるのです。けっこう,ピザだけながらも盛り上がるし,演者も報酬なしで,けっこう喜んで引き受けてくれます。もちろん,親睦も深められます。本来,研究者の親睦とは学問の交流とカップルしたものでなければ,身になりません。
 私は,同じ親睦でも,学問とカップルしたものを導入したいと思ってはいますが,すべては,会員の意思次第だと思います。

「研究会同総会広報」 庶務幹事 近藤 丘

庶務報告

  1. 研究会同窓会会員の確認(平成17年5月現在)
      通常会員813名
      (名誉会員70名,所外528名,所内215名)
      賛助会員 31施設
      購読会員 17件
      物故会員(平成16年6月〜平成17年5月)
       平間  仁先生 平成15年10月 5日
       太田 早苗先生 平成16年 1月28日
       片倉 康博先生 平成16年 9月13日
       眞山  崇先生 平成17年 1月 4日
       遠藤 閑夫先生 平成17年 3月22日
       齋藤  裕先生 平成17年 5月 3日
  2. 加齢研ニュース42号発行
       平成16年12月
  3. 第123回加齢研集談会
      日 時:平成17年1月28日(金)午後1時から
      場 所:加齢医学研究所大会議室
      一般口演(8題),松居靖久,山本徳男新任教授特別講演
      第12回加齢医学研究所研究奨励賞授与式・受賞記念講演
      吉田 尚美(免疫遺伝子制御研究分野) 
      渡辺 和秀(腫瘍循環研究分野) 
      Sita Andarini(呼吸器腫瘍研究分野)
  4. 第32回加齢研シンポジウム・特定領域研究脳のパターン形成シンポジウム
      Symposium on Vertebrate Brain Pattern Formation
      日 時:平成16年10月29日(金)午前9時20分から
      場 所:加齢研大会議室
      代表世話人:仲村 春和
      第33回加齢研シンポジウム
      Oncogene Addict:がんにおけるgain of functionシグナルと分子標的薬
      日 時:平成17年1月14日(金)午後1時から
      場 所:艮陵会館 記念ホール
      世話人:貫和 敏博
      第34回加齢研シンポジウム
      「バイオインフォマティクスと加齢医学」
      日 時:平成17年2月24日(木)午後1時から
      場 所:加齢医学研究所大会議室
      世話人:佐竹 正延
      第35回加齢研シンポジウム
      再生医療最前線
      日 時:平成17年3月4日(金)午後1時から
      場 所:加齢医学研究所大会議室
      世話人:山家 智之,堀  義生
  5. 加齢研ニュース発行
      43号 平成17年6月

今後の予定

  1. 第124回集談会
      日 時:平成17年6月25日(土)
          午後1時から
      場 所:加齢医学研究所大会議室
      一般口演
  2. 平成17年度加齢医学研究所研究会同窓会総会,講演会および懇親会
      日 時:平成17年6月25日 (土)集談会終了後
      場 所:総会 加齢医学研究所大会議室午後4時から
      講演会 加齢医学研究所大会議室午後5時から
          「科学と文学のあいだ」
          講師 永田 和宏氏
      懇親会 プロジェクト総合研究棟(旧加齢研病院)セミナー室午後6時15分から
  3. 第36回加齢研シンポジウム
      日 時:未定
  4. 加齢研ニュース発行
      44号 平成17年12月  
      45号 平成18年 6月

同窓会会員個人情報の利用について(お知らせ)
 平成17年4月1日より個人情報保護法が施行されました。
 ご登録いただいております皆様の情報は,研究会同窓会事業以外の目的では使用いたしません。

「編集後記」

 私の担当は今回限りです。4年間色々ご協力くださりありがとうございました。オンライン版の発行だけは実現できましたが,それ以外に皆様から頂戴したアイディアの数々は,結局実現できなかった事が少し心残りではあります。
 今後とも加齢研ニュースへのご協力をよろしくお願いいたします。  舟橋淳一